声優、斉藤壮馬が語る3曲連続リリース『in bloom』と、最新第一弾デジタルシングル「ペトリコール」について。

2020年07月08日 | インタビュー


「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」の夢野幻太郎役・「活撃刀剣乱舞」の鶴丸国永役・「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」のヤマギ・ギルマトン役・「フューチャーカードバディファイト」の龍炎寺タスク役・「残響のテロル」のツエルブ/久見冬二役・「ハイキュー!!」の山口忠役・「アカメが斬る!」のタツミ役などなど、数多くの人気作品を彩る個性派俳優の斉藤壮馬さん。
音楽面でも造詣の深い彼は、2017年6月にSACRA MUSICよりアーティストデビュー。デビューシングル「フィッシュストーリー」が、オリコンチャート初登場9位を記録。みずからも出演していたアニメ「活撃刀剣乱舞」のオープニングテーマ「ヒカリ断ツ雨」も収録した2ndシングル「夜明けはまだ/ヒカリ断ツ雨」も、オリコンチャート初登場7位を獲得。1stアルバム「quantum stranger」は同チャート最高4位を記録するなど、着実に支持を集めてきた。
声優としてはもちろん、みずから作詞・作曲も担うようにアーティストとしても着実に支持を得ている斉藤壮馬が、6月27日に発売するデジタルシングル「ペトリコール」より、”季節のうつろい””世界の終わりのその先”をテーマにした『in bloom』シリーズをスタートさせる。
彼がどんな想いを持ってこのシリーズを始めたのか。第一弾となった「ペトリコール」へどんな気持ちを描いたのかを、メール・インタヴューという形で答えていただいた。

ぼくは文字の視覚的なニュアンスも気にするタイプ

──アーティストとしての活動も、本のページをめくるよう『in bloom』シリーズを皮切りに第二章へ突入。「第一章」「第二章」と区切りを付けた理由が気になります。そこには、あえて区切りを付けることで、表現してゆく対象を明確化するためという想いもあったのでしょうか。

斉藤壮馬:そんなにたいそうな話でもなくて、レーベルに音楽活動をしませんかとお声がけいただいてから2年ほど経ち、アルバムを出してライブをやったところで、ここまでの活動がいったんまとまったかな、という気持ちになったんです。振り返ってみれば、オーイシマサヨシさんに『フィッシュストーリー』という最高の楽曲をいただいてから、アルバム『quantum stranger』にたどり着くまでの流れが綺麗に繋がったな、と。テーマというか、歌われている内容は、「旅」とか「世界の終わり」というような方向性のものが多かったのではないでしょうか。ただ、声優である自分が歌活動をするわけですから、あくまでもポップなエンタメであることが肝要だと思っていたんです。でも、だんだん欲が出てきちゃって、もっとダークなものとか訳がわからないものもやってみたいな、と思いはじめて。だから、ここからはもっと色々な音楽をやっていきますよ、よろしくお願いします、くらいの気持ちですね。なんかちょっと格好つけちゃってるかんじもあって、やや恥ずかしいのですが……(笑)。

──今回のシリーズに、『in bloom』(満開)という言葉を持ってきたのにも惹かれました。その理由も教えてください。

斉藤壮馬:ぼくは特にシリーズ名をつける必要はないかなと思っていたんですけど、プロデューサーさんがあった方が繋がりが分かりやすいのでつけてくださいと(笑)。もともとのスケジュールは、6月にシングルを出そうという話だったんですよ。でも、諸般の事情で配信ベースでリリースすることになって。それで、書き溜めていた曲を詰めているうちに、季節を感じる曲が多いなと思ったんです。もともと『in bloom』というのは曲名にしようかなと思っていて。でも、これはこのシリーズにぴったりなんじゃないかと思って、すんなり決まりました。「インブルーム」という音の響きもそうなんですけど、ぼくはけっこう見た目というか、文字の視覚的なニュアンスも気にするタイプなので、『in bloom』はどちらもいいかんじだったんですよね。だから、最初から完全にコンセプトを構築してこの単語を選んだというわけでもないんです。ふっと降りてきたような感覚ですね。

──同シリーズでは、 「”季節のうつろい””世界の終わりのその先”をテーマにした」と伺っています。「季節のうつろい」という言葉に浪漫や表現の情緒を覚えますが、気になるのが「世界の終わりのその先」というテーマ。せっかくですので、2つのテーマを用いた理由も語っていただけますか。

斉藤壮馬:もともと、移り変わっていく過程の状態とか、あいまいなものが好きなんです。だから梅雨とか、夏と秋の間のあの一瞬とか、そういう感覚を曲にしていきたいな、と。名前がないものに、単に名前をつけるのではなくて、その概念自体を曲にしていくというような作業が好きなんです。今までも一貫してメッセージソングは書いてこなかったのですが、自分にとってはある状態や感情を音楽の形で表現しているというイメージで。そういう意味で、今回連続リリースされる3曲については、「季節のうつろい」をそれぞれの形で歌ったものになっています。「世界の終わりのその先」に関しては、前述のとおり今まで世界の終わり的なモチーフが多かった中で、太宰治の『ろまん灯籠』を読んでいたときに、印象的な言葉に出会って。「——恋愛の舞踏の終ったところから、つねに、真の物語がはじまります。めでたく結ばれたところで、たいていの映画は、the end になるようでありますが、私たちの知りたいのは、さて、それからどんな生活をはじめたかという一事であります」という。ぼくは今のところ書かないと決めているテーマが2つあって、先ほども言ったメッセージソングとラブソングなのですが、それはともかくとして、この文章にものすごく納得してしまって。今までは世界の終わりをどう迎えるのかという物語を書いてきたつもりなんですけど、はて、じゃあその先はどうなんだろうと。完全に終わってしまったのか、あるいは……? そんな曲を書いてみたくなったんです。これは今回の3曲に限った話ではなくて、それこそ「その先」にも関わってくるテーマですね。

雨の匂い、好きなんです。「ペトリコール」という単語も、響き、字面の両面が気に入ってます


──第一弾デジタルシングルとして生まれたのが、「ペトリコール」。雨が降った時に、地面から上がってくる匂いを指すこの言葉を持ってくるセンスが素敵だなと感じました。何故この言葉を導き出したのか、とても興味深いです。そのきっかけや背景を知りたいです。

斉藤壮馬:なにでこの言葉を知ったのかは覚えていないのですが……最初に曲の原型のようなものがあって、思いついた瞬間に「ああ、この曲は雨が降っているな」とわかったんです。で、最初はカタカナを使わずに、もうちょっと和っぽい世界観にしようと思っていたのですが、ちょっと詰まってしまって。そこでブレストをした時にふとこの言葉を思い出して、もうカタカナ禁止とかそういう制限をやめよう、と思って。そこからはわりにすんなり全体像が導けましたね。雨の匂い、好きなんです。「ペトリコール」という単語も、響き、字面の両面が気に入っていますね。

──『in bloom』シリーズに「季節のうつろい」というテーマがあるように、同シリーズは「季節」を舞台にした歌を次々生み出してゆくのでしょうか? なぜ、「雨」を題材にした季節から始めようとしたのかも気になります。

斉藤壮馬:今のところ、『in bloom』は3曲想定なので、その予定です。もともとぼくの曲には雨、夜のモチーフがすごく多いのですが、今回は6月がデビュー3周年ということもあって、3曲とも全部雨をテーマにしたシングルを出そうと思っていたんです。その名もずばり『雨の三部作』。これは作家の福永武彦さんの『夜の三部作』のオマージュですが、当初はそういう計画だったんですね。でも諸般の事情でそれが難しくなってしまい、どうしてもペトリコールだけは6月に出したいと思ったので、連続配信という形になりました。2曲目などは雨のニュアンスがないのでもともとはここで使うつもりはなかったのですが、季節のうつろいというテーマならぴったりじゃないかと思って入れ込みました。そういえば、シングル『デート』のカップリング『レミニセンス』も、もとは『雨』というタイトルでした。

──レインコート姿で傘を差しながらも、つい、雨の中をステップしたくなるような淡い心地好さを持った「ペトリコール」。この楽曲を作るうえで壮馬さんが心がけていたことを教えてください。

斉藤壮馬:雨粒が跳ねるようなニュアンスを出しつつ、ポップになりすぎないことですね。印象的なサックスのリフはやや調性から外れていますが、ぼくはもともと音階で表現できない音を狙っていきたくて。簡単にいうとブルーノートなどもそうですが、ここでもやはり「あいまいな」ものを表現したいんですよね。だから、音楽を論理的に聴いている人からすると、違和感があるかもしれない。でも曲が終わるころにはこのリフが癖になっていたらいいなあ、と思って作りました。あとはイントロやアウトロにノイズギターが鳴っていて、これも足してもらって正解でした。左寄りにパンされているやつですね。アレンジャーのSakuさんに、アート・リンゼイさんというノーウェイヴのギタリストの方の動画を見せて、「こういうかんじで、メロディではなくノイズでリズムを弾いてください」と無茶ぶりをして(笑)。いつもややこしいお願いばかりで申し訳ありません、今回も素敵なアレンジをありがとうございます、Sakuさん! 歌でいうと、サビのハモがエリオットスミスっぽくて好きです。毎回レコーディングの場で、みんなで鍵盤やギターを弾きながら「こっちのほうが都会的でおしゃれじゃない?」なんて会話をしながら柔軟にメロディを変えていて、そういうところもチーム感があって楽しいんです。2番からはかなり独特の展開になっていますよね。個人的には「狂い咲くような〜」の部分は、おこがましくも井上陽水さんっぽいなあと思っております。そのあとはラップとも歌ともつかない、喋っているようなニュアンスが出せてよかったですね。

「雨」にまつわるものになぜかものすごく惹かれてしまうんです。

──「ペトリコール」を聞いていると、雨に濡れる日本のジメジメとした季節にも浪漫を覚えます。壮馬さん自身、「梅雨の季節」をどんな印象で捉えているのでしょうか。

斉藤壮馬:湿気が苦手なので、すごく好きというわけでもないのですが、「雨」にまつわるものになぜかものすごく惹かれてしまうんです。それこそ漢字の形もそうだし、雨音のリズムや匂い、色彩なんかも含めて。すべてが詳らかになるというよりは、ひっそりと隠されているようなイメージですね。傘に隠れて口元しか見えない人とすれ違うときって、なんだかドキドキしませんか?

──雨降る風景の中に色を塗るように、主人公が街中を散策してゆく様が「ペトリコール」からは見えてきました。歌詞を描くうえで。加えて、「ペトリコール」の歌詞を書く際に壮馬さんが心がけていたことや狙っていた想いがあれば教えてください。

斉藤壮馬:狂気と恍惚といいますか……この曲は聴いてくださった方の中でもかなり解釈が分かれていて、どれが正解ということもないから、しめしめ、ありがとうございますと思っているのですが(笑)。個人的な解釈としては、決してポップで軽快なだけの曲ではないと思いますね。あくまでもこれはぼくの見解ですけど、この曲は『雨に唄えば』っぽいニュアンスがありますが、それそのものというよりもむしろ、『時計じかけのオレンジ』なんですよね、ぼくとしては。多分この人物本人はすごくいい気分なのかもしれないですけど、はたから見るとどうなのか? という。小説の書き方で、信用できない語り手という技法がありますが、そういうことですね。でも、虚気雨は自分が感じたいように感じるのが一番。自分の聴き方に自信と誠意と責任を持って、楽しめたもの勝ちだと思っているので、色々な解釈をしていただけたら嬉しいですね。

──何時もは避けたくなる雨の日の外出も、「ペトリコール」を聞いていたら何かドラマが生まれそうな予感さえ覚えました。壮馬さん自身、歌詞にも出てきますが「もうすこし寄り道」したい気持ちに駆られるのは、どんなときでしょうか。

斉藤壮馬:わりといつも寄り道しちゃうんです。散歩も大好きだし、いつもと違う道を歩く、という行為がそもそも好きなんだと思います。学生時代も、しょっちゅう違う道を歩いて帰っていました。ただ、『ペトリコール』の人とは違って、雨の日は一目散に家に帰っちゃうんですけどね(笑)。ただまあ、そもそもこの人って、どこからどこに向かっているのかとか、わからないじゃないですか。ある意味でぶっ飛んじゃっているというか。だから正直、「この人すごい楽しそうだけどなんか怖いな」と思っちゃいますね。って話が逸れてしまいましたが、知らない道を歩いて、そこで目にするものってすごく刺激的で、とっても大好きなんです。

──「ペトリコール」には、情緒を抱いた「季節のうつろい」を感じました。この楽曲の中にも、もう一つのテーマである「世界の終わりのその先」という想い(狙い?)も隠されているのでしょうか。

斉藤壮馬:あんまりその辺りを説明しすぎるのは野暮かもなとは思うんですけど……どうなんでしょう、この曲に関してはあんまりないんじゃないかなあ。この曲はすごく内省的で、主観的な歌だと思いますよ。むしろ、時期としては梅雨とか、雨の降る時期で季節のうつろい的な情緒はあるのかなと思いますが、この人物はすごく刹那的なように思えるんですよね。だからこの人か、今ここでこうしているのが楽しい! と思っているような気もします。などと色々言いつつも、さすがにめちゃくちゃな嘘は言いませんが、曲を書いたからと言って全部をあけすけに説明するわけではなくて……煙に巻いていることもあるかもしれませんので、そういう考え方もあるんだな、くらいで聞いておいていただけますと幸いです。ただ、「世界」というのもまた難しいですよね。世界全体なのか、その人にとっての世界なのか。雨粒に紛れるように、色々な解釈があってくれたら嬉しいですね。

──レコーディングメンバーに名前を連ねたのが、Bass:越智俊介(CRCK/LCKS), Sax:藤⽥淳之介(TRI4TH), Piano:渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)という方々。バンドサウンドを求めたい想いもあったのでしょうか?

斉藤壮馬:バンドサウンドを求めてはいないですね。むしろ可能な限り音数を減らしたかったんです。日本のポップスはどうしても、音圧を上げて曲の隙間を埋めてしまう。足し算なんですよね。そうではなくて、引き算をしていって、その余白が聴こえるような曲にしたかったんです。なので、具体的にどなたにお願いしたいとは言いませんでしたが、ジャズのテイストもある曲なので、グルーヴ感を大切にしつつ、引き算をしてくださる方がいいですとはお願いしました。結果、皆さん本当に素敵な演奏をしてくださって、ものすごく嬉しかったです。アウトロの皆さんの演奏が特に最高なので、ぜひじっくり聴いていただきたいですね。

スローな映像で見る雨って本当に綺麗ですよね。

──まるで水彩画のような「ペトリコール」のMVも、とても素敵です。映像面での狙いやこだわりもあったら教えてください。

斉藤壮馬:時節柄MVの撮影がかなり難しく、可能な手段を検討した結果こうなりました。時間が限られている中、映像チームの皆さんにはとても素晴らしいものをつくっていただき、心から感謝しております。まずこちらの大まかな希望をお伝えしたあとで、映像チームの皆さんから水彩のイメージをいただいたときは、「これだ!」と思いました。曲と合わさると本当におしゃれな映画のようですよね。スタイリングとメイクはいつもお願いしている安定のお2人だったのですが、今回ももちろん最高に仕上げてくださいました。改めて、チームでものを作らせてもらえているありがたさを感じましたね。

──撮影中のエピソードもあったら、聴かせてください。加えて、MV「ペトリコール」の見どころもお願いします。

斉藤壮馬:撮影日はぎりぎり雨が降っていなかったのですが、撮影が終わった途端一気に降ってきたのが印象に残っています。映像チームの皆さんが本当に素敵に仕上げてくださったので、ぜひ何度も観ていただきたいです。スローな映像で見る雨って本当に綺麗ですよね。余談ですが、指パッチンをしながら歩いているカットがありますけど、ぼくはまったく鳴らせません(笑)。

──完成したデジタルシングル「ペトリコール」、今の壮馬さんにとってどんな意味や想いを持った楽曲に仕上がったでしょうか。

斉藤壮馬:楽曲はリリースされた時点でもうぼくのものではなく、大気に解き放たれたものだと思っています。自分としては、今回はポップさの裏に見え隠れする狂気を表現できてとても満足しておりますが、音楽というのは聴いていただいてなんぼです。ひとりでも多くの方に、1回でも多く聴いていただけましたら、この上ない幸せです。それでもひとつだけ言い添えるならば、新しいシリーズの幕開けにふさわしい、曲者の歌に仕上がって嬉しく思っております。

──このシリーズをデジタルシングルという形にした理由も気になります。

斉藤壮馬:上にも書いたとおり、本当はシングルでリリースする予定でした。ちょうど今は盤と配信が両立している時代ですが、どちらにもよさはあって。でも自分は、地元の中古レコードショップでジャケット買いをしたCDを家に帰って再生するときのあのわくわく感や、聴き終わったと思ったら隠しトラックがあったときの嬉しさなどを感じて育ってきた世代なので、次は必ずCDの状態でもリリースしたいと思っています。

──これから「in bloom」シリーズがどんな風に形作られていくのかとても気になります。現状、語れる範囲で構いませんから教えてください。

斉藤壮馬:2曲目は8月19日にリリースされる『Summerholic!』という曲です。夏まっさかりのアッパーなバンドチューンですね。これはかなりシンプルな曲というか、1回しか捻っていない素直な曲だと思います。ただ随所に仕掛けはあるので、聴いていて楽しい曲になっているんじゃないかな。ペトリコールのときも言ったのですが、もしかしたらこの曲も考え方によってはホラーかも。まあ、夏ですしね(笑)。3曲目は夏と秋の間の曲。エモーショナルなバンドサウンドと感傷的な歌詞が特徴でしょうか。この曲はわりと世界の終わり的なモチーフがありますね。ただ、今までの曲とはやはり若干視点が違います。つい先日レコーディングをしたばかりなので、完成が楽しみですね。とにかく書きだめしている曲が無数にありまして……以前、Twitterで『北欧(仮)』という曲のデモを一部公開したのですが、他にも色々な素材がストックされています。仮タイトルでいうと、『オアシスミス』『ボサノバ』『VW』『マリリンマンソン』『くじら』などなど……この曲たちがいつか陽の目を見る機会があるように、がんばっていきたいと思います。

──「ペトリコール」、どんなシチュエーションで聞いて欲しいと思いますか?

斉藤壮馬:今の時代のいいところは、どんな状況でも自由に音楽を聴けることだと思います。ですから、皆さまの思い思いのシチュエーションで楽しんでいただけましたら幸いです。個人的におすすめなのは、散歩中でしょうか。夜にMVごっこをしながら聴くととても楽しいですよ。変な人だと思われるかもしれませんが(笑)。特に1日のうちのどの時間、というようなイメージでは作っていないのですが、意外と朝にも合うのかもしれないな、とも思います。朝起きて、ベランダでしとしと降る雨を眺めながら、とか。

本と睡眠は、どちらもアイディアの泉です。

──壮馬さんの好きなファッションスタイルも聴かせてください。

斉藤壮馬:割とシンプルなものが好きです。フレンチ系とか、ややモードっぽいのも好きですね。昔はリングや時計をつけるのが苦手だったんですけど、やはり好みは年々変わるものですね。特に時計は、高いものや機械的な側面での興味というよりは、自分の身体になじむ最高の1本をまだ探している最中です。色でいうと、緑、黒のアイテムが多いかな。よくブルー系のキャラクターを担当するので、衣装では寒色を着ることも多いのですが、どちらかというと深いボルドーとか、オータムカラーのものが好きですね。ペールトーンというか、それこそ曖昧な色のアイテムにも惹かれます。ニットとかカーディガンも大好きですね。

──ファッション面でのこだわりがあれば聴かせてください。好きなブランドなどもありますか?

斉藤壮馬:肌になじむことですかね。着ていて疲れないというか。レコーディングをしたり長時間喋らなければいけないときは、身体をしめつけないゆったりとしたものを着ることが多いです。好きなブランドはたくさんあるのですが、ぼくはファッションはひっそりと楽しみたいタイプなので、秘密ということで(笑)。どのブランドが好きかわかっても、ぜひそっとしておいていただけますと幸いです。強いていうならば、靴はドクターマーチンをかなりよく履いています。何足か持っていますが、足の形に合うし、どんな道でも歩きやすい。パラブーツも同様の理由で好きですね。丸顔なので、キャップが似合わないのが最近の悩みです(笑)。いいものを長く使っていくのが好きですね。

──壮馬さんの生活に欠かせないものは何か?ぜひ教えていただけませんか。

斉藤壮馬:本と睡眠ですね。どちらもアイディアの泉です。ちなみに、「生活」は『in bloom』シリーズのさらに先にとってとても重要なキーワードです。といっても、まだ構想段階なのでどうなるのかはわかりませんが……。世界が終わっても、生活は続く(のだろうか?)。頭の片隅においていていただけたら、いつか繋がる日がくると思います。ちなみに最近買ってよかったものはル・クルーゼの器。どんな料理も綺麗に盛り付けられるし、片付けも楽ちん。フライパンで炒めて、そのまま移して食べて洗って拭いて戻すだけ。自炊の頻度も増えましたが、ほぼこれしか使っていません(笑)。あと炭酸水メーカーみたいなものも買って、これも重宝しています。昔は炭酸自体が苦手だったんですけど、不思議なものですよね。あとは、ビザールギターという、変なフォルムのギターが1本ほしいですね。音もめちゃくちゃピーキーなやつがよくて……って、キリがないですね(笑)。

──最後に、自由に「ひと言」お願いします。

斉藤壮馬:ここまでお読みくださいましてありがとうございます! 『ペトリコール』、ぜひ何度も聞いていただけましたら幸いです! 今年はたくさんの楽曲をお届けしていく予定ですので、声優業の方とあわせて、音楽活動も何卒よろしくお願いいたします!

──次の楽曲も楽しみにしています。また、いろいろ語っていただけたら嬉しく思います。長々とありがとうございました。

TEXT:長澤智典(質問のみ)

インフォメーション


「ペトリコール」(作詞・作曲:斉藤壮馬 編曲:Saku)
配信⽇:2020.6.27(Sat)
価格:255円(税込)(配信サイトによって前後有り)
各配信サイトにて
https://somasaito.lnk.to/petrichor
★Recording Member
Bass:越智俊介(CRCK/LCKS), Sax:藤⽥淳之介(TRI4TH), Piano:渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)

この夏3曲連続リリースとなる”季節のうつろい”、”世界の終わりのその先”をテーマとした『in bloom』シリーズの第2弾
「Summerholic!」が8月19日(水)0時より各配信サイトにて配信が決定しました。
『in bloom』シリーズ「Summerholic!」の続報をお楽しみに!

Profile


[名前] 斉藤壮馬(さいとうそうま)
[誕生日] 4.22
[出身地] 山梨県
[オフィシャルサイト]
http://www.saitosoma.com/
[Twitter]
斉藤壮馬[Official] @SomaStaff
[BLOG]
https://ameblo.jp/somasaito/

17歳の時に、所属事務所(81プロデュース)のオーディションにて優秀賞を受賞。
都内大学在学中に本格的な声優デビューを果たす。
洞察力に富んだ解釈と多様なアプローチで、様々なキャラクターを演じ分ける表現力の高さが魅力。
アニメ・ゲーム作品等のキャラクターソングにおいて、キャラクターの声を維持したままの歌唱力の高さにも定評があり、2017年6月にSACRA MUSICより待望のアーティストデビュー!本格的に音楽活動をスタートさせる。
デビューシングル『フィッシュストーリー』ではオリコン週間チャート初登場9位、またTV アニメ「活撃刀剣乱舞」オープニングテーマ「ヒカリ断ツ雨」を収録したセカンドシングル『夜明けはまだ/ヒカリ断ツ雨』では同チャート初登場7位を獲得!
数多くのアニメ・ゲーム作品に出演するかたわら、プライベートでは様々な音楽を聴き漁ってきたマニアックな志向も持ち合わせ、読書家でもある彼が生み出す世界観に乞うご期待!

[主な出演作品]
■ANIME
「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」(夢野幻太郎)
「うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~」(岡本タマ)
「空挺ドラゴンズ」(ジロー)
「ピアノの森」(一ノ瀬海)
「活撃刀剣乱舞」(鶴丸国永)
「夜明け告げるルーのうた」(国夫)
「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」(グレン=レーダス)
「ハンドシェイカー」(タヅナ/ 高槻手綱)
「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(太刀花ユキノジョウ)
「ブブキ・ブランキ」(野々柊)
「D.Gray-man HALLOW」(トクサ)
「91Days」(コルテオ)
「ハルチカ~ハルタとチカは青春する~」(上条春太)
「12歳。~ちっちゃなムネのトキメキ~」(高尾優斗)
「クオリディア・コード」(朱雀壱弥)
「六花の勇者」(アドレット)
「探偵チームKZ事件ノート」(若武和臣)
「Dance with Devils」(鉤貫レム)
「ケイオスドラゴン赤竜戦役」(スァロゥ・クラツヴァーリ)
「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」(ヤマギ・ギルマトン)
「フューチャーカードバディファイト」(龍炎寺タスク)
「トライブクルクル」(天宝院ユヅル)
「残響のテロル」(ツエルブ/久見冬二)
「怪盗ジョーカー」(シャドウ・ジョーカー)
「ハイキュー!!」(山口忠)
「アカメが斬る!」(タツミ)/他

■GAME
「刀剣乱舞」(鯰尾藤四郎、鶴丸国永)
「あんさんぶるスターズ! 」(葵ひなた、葵ゆうた)
「アイドリッシュセブン」(九条天)
「アイ★チュウ」(斑尾巽)
「サンリオ男子~わたし、恋を、知りました。~」(水野祐)
「文豪とアルケミスト」(江戸川乱歩)/他

この記事を書いた人

"音楽を中心に執筆中のライター。「あなたのため」に頑張ります。 twitter @nagasawatomonor Web http://vues.jp/"

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