天衣無縫の輝きを放つ中国コスプレイヤー・綺太郎ちゃん!モデルとしての取り組みや美容の秘訣は?

2021年02月28日 | インタビュー

日本から海外に広まったコスプレ文化ですが、近年は中国の勢いが目覚ましいです。
日本でもコミックマーケットのようなコスプレ参加可能な大規模イベント、TwitterやInstagramなどのSNSでは、中国コスプレイヤーのクオリティーの高さが目立ち、一種のブランドになりつつあります。

その中で、2019年夏開催の「コミックマーケット96」で注目を集め、日本での知名度を飛躍的に高めたのが中国・広州に住む綺太郎ちゃん。日本のトップコスプレイヤー・えなこさんや“インスタグラビアの女王”似鳥沙也加さんなどが所属する「PP エンタープライズ」唯一の中国コスプレイヤーです。どの角度から見ても愛らしく、元気ハツラツな感じが印象的です。

これまで中国と往復しながら日本のイベントや撮影会などにも参加していましたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で来日できませんでした。しかし、その間も中国では『アークナイツ』、『風色幻想』、『BLACK SURVIVAL』、『山海鏡花』などの公式コスプレイヤーとして引っ張りだこ。コスプレだけに留まらず、ファッション広告、ランウェイ、動画などでモデルとしても活躍の場を広げました。

「早く日本の皆さんと再会したい」と語る綺太郎ちゃんに、モデルとしての撮影への臨み方、メイクや体調管理など美容について訊きました。

“天衣無縫”の愛らしさでコスプレイヤーとして成長を続ける綺太郎ちゃん

プロフィール

中国でも一際コスプレ熱が高いと言われる広州に住む。2019年夏の「コミックマーケット (C96)」に参加して注目を集め、「PP エンタープライズ」が主催した「次世代コスプレイヤー 全国オーディション」グランプリ受賞をきっかけに所属。
2020年は中国トップクラスのイベントカメラマン・教主shadowさんとタッグを組むことが増え、ビリビリ動画が主催する「bilibili world」、広州最大規模の「蛍火虫」、中国最大級のゲームショウ「Chinajoy」などのイベントに出演しています。

Twitter:@kitaro_cos
Instagram:kitaro_cos
weibo: Kitaro_绮太郎
株式会社 PPエンタープライズ: https://www.ppe.jp

コスプレは準備に多くの時間を要します

──コスプレを始めたきっかけを教えてください。年間でコスプレをする回数はどれくらいですか?

綺太郎:元々、アニメが大好きだったので、ネット上でコスプレイヤーさんの写真を初めて見た時にその素晴らしさに衝撃を受けて、コスプレに興味を持つようになりました!実際にコスプレを始めたのは大学に入ってからです。
国内では動漫展(アニメやゲーム、同人誌即売会などのイベントの総称)、商品展覧会、撮影会などに仕事で出演しています。仕事と趣味合わせて一年で50〜70キャラくらいコスプレをしています。


「無職転生」エリス

──初めてコスプレした頃のことを覚えていますか?

綺太郎:初めて動漫イベントに参加した時に、会場にいるカメラマンの撮影を断ってしまったことを覚えています。当時は人見知りだったので、カメラを向けられるのが怖くて……その後も撮られている時は足が震えたり、笑顔がぎこちなかったりが続きました。

今はもう人見知りはしません。コスプレがを通して、性格も明るくなったし、大勢の人と自然に交流できるようになりましたよ。

──得意なポーズや表情はありますか?

綺太郎:「これがすごく得意!」と言えるポージングはないんですけど、表情だとウィンクが得意です!

──撮影に臨むにあたってどんなことを大切にしていますか?

綺太郎:大きく4つあります。まずは「細部にこだわる」。多くの時間をかけてウィッグや衣服、造形を修正します。
次に「事前準備」。撮影にあたって、どう撮るか、場所選びなどしっかり決めます。

3つ目は「物語性を表現」する。ウィッグやメイク、衣装など見た目をキャラクターに近づけるだけでなく、写真一枚でキャラクターが何をしているか伝わるようにしないといけません。
最後に「心身ともにキャラクターになりきる」こと。自分がキャラクターに変身したように、一挙手一投足を大事にし、このキャラクターならこの状況でどんな動きや顔をするかを考えます。


初音ミク「深海少女」

──撮影ではカメラマンにどんな要望を伝えますか?

綺太郎:まずどんなテーマにするかを話し合ってから、どのように撮影するか細かい点を決めます。
私はとくに撮影までの準備に多く時間を使います。そうすることによって、効率よく撮ってもらうこと、一定以上のクオリティーを保証することが、理想的に行えると思うからです。


「カードキャプターさくら」木之本桜

──ポートレート撮影ではコスプレとは違う撮影の臨み方をしていると思いますが、具体的な試みを教えてください。

綺太郎:日常系コーデだと色んなケースを想定できますよね。私はシチュエーションを決めたなら、どんな状態で何を思っているかを考えて小道具や撮り方を決めます。例えば、太陽の下で快適そうに過ごしているシチュエーションなら甘いケーキを食べたり、夜に街灯の下を歩くなら知性的に見えるようにしたり、そういった設定を大切にしています。

メイクで大事にしているのは眉毛とまつげの描き方

──普段はどんな服を好んで着ていますか?

綺太郎:可愛いカジュアル系や、原宿系のクールな服をよく着ていますね。実は日本の雑誌でよく見る日常系ファッションが大好きです。明るくて透明感があって、とてもさわやかで柔和な印象を見る人に与えますから。

──おすすめのコスメアイテムや大事にしているメイクのポイントを教えてください。

綺太郎:長く愛用しているのは、「KISSME」のマスカラとアイライナーです。あとは、「MUJI(無印良品)」のアイラッシュカーラーです。それ以外のアイテムは色々試しているので入れ替わりが多いです。

メイクする時に重視しているのは、眉毛とまつ毛の描き方です。視覚的にその人の印象を決定してしまうからです。あとスキンケアは念入りにしますよ。

──モデルとしてのお仕事が多いと、肌へのダメージは多くなりますか?

綺太郎:中国だとモデルの仕事環境は、頻繁にメイクをして野外で撮影しますから、一般的な人と比べて紫外線などで受ける皮膚へのダメージが多いです。さらにコスプレイヤーですと、キャラクターに近づけるためにメイクも濃くなりがちで、1回の撮影時間も長くなるから皮膚の状態には常に気を遣う必要があります。


──モデルとしていつも元気いっぱいで、気力充実している印象があります。その秘訣を教えてください。

綺太郎:身の回りを清潔に保つことと休息することを大切にしています。継続するのは難しいですけど、夜更かしせずに十分な睡眠時間を取り、飲食の制限と水を多く飲むことを心がけています。

──体調管理を大事になさっているのですね。仕事予定によってケアする内容は変わりますか?

綺太郎:それはあります!本当に日頃から自分の体調を把握し、いざ現場に立ったなら機を逸しないようにすることが大事なんです。
例えば、MCなど声を使う仕事があるならば、日頃から辛いものや刺激するものを食べずに喉のケアをします。

──ちなみに中国と日本ではメイクのやり方はどれくらいの違いがありますか?

綺太郎:中国と日本のメイクはそこまで大きな違いはないと感じています。
私の場合、コスプレする時はどちらに寄っているかとは断言できないですね。ネット上で集めたメイクのやり方や、自分で試行錯誤して見つけた自分に合ったメイク法を駆使していますから。

──日本のメイクやコスプレイヤーについてどんな印象を持っていますか?

綺太郎:私はいつも日本のメイクテクニックは非常に素晴らしいと感じています。その人の見え方を180度変えてしまうほどの印象がありますね。私が日本で所属している「PPエンタープライズ」のコスプレイヤーさんをいつも見ていますが、皆さんはプロフェッショナルで、どんな衣装にかかわらず、メイクと表現力がとても素晴らしいです。


2020年はモデルとして表現力を高め、より美しさもました綺太郎さん。本人も来日できないこと以外は、良い方向に進んでいると手応えを感じているそうです。2021年こそは日本で会いたいですね。


画像提供:綺太郎

この記事を書いた人

「原宿POP」のライター・カメラマン。中国語が得意。2019年に中国ロリータ服に出会い、その多様性と華やかさに惹かれる。市場の成長が著しい中国ロリータブランドやモデルがカンフル剤となり、日本でもロリータファンが増えればと、中国ロリータの取材に注力している。Twitter:@Osefly

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