谢安然×深澤翠 日中ロリータ対談♡

2019年12月26日 | アパレル

ロリータを好きになったきっかけ


安ちゃんは中国でロリータモデルとして大活躍しているけれど、モデルになる前からロリータファッションが大好きなんだよね?いつごろからロリータさんになったの?

安然 ロリータファッションのことを知ったのは小学生のときです!昔からふりふりなお洋服が大好きで。でも、着られるようになったのは大学一年生のときなので、実際はまだ3〜4年目です。
中国って小学校から高校まで、本当に受験勉強が忙しくて、時間的にも精神的にもおしゃれを楽しんでいる余裕が全くなかったんです。
高校は中国の一般的な制服で通っていたんですけど…中国の制服って知ってます?

えっ、なになに?全然知らない!
中国にも制服があるんだ!って初めて知ったくらい。

安然 スカートNGっていう校則があって、男女問わずジャージが制服なんです。

えー!衝撃!
そっか、だからみんな中国の子はセーラー服が好きなんだ!

安然 それはそうかも(笑)
日本の女の子は、制服がかわいくて羨ましい!

でもそれなら、小学生のときにどんな風にロリータを知ったの?
中国の子はどんなきっかけでロリータを好きになるのかなあって。

安然 私はアニメがきっかけです!
中国で有名なアニメの雑誌があって、そこでローゼンメイデンを見たのがロリータを知ったきっかけです。昔からふわふわなお洋服が好きで、お姫様のようなスタイルへの憧れもあったので、実際のロリータファッションを見てすぐに好きになりました。

そうなんだ!そういう子は中国でも多いのかな?

安然 多いと思います!
私は日本語も少しだけ、アニメから覚えました。
ローゼンメイデンは一押しのアニメで、ずっと大好きなんです♡

スタイリングもします♡


安ちゃんは、日本でいうところの「モデル」には留まらないお仕事をされているよね。
撮影ひとつ取っても、スタイリスト的な部分や、撮影のディレクションみたいなところまで、しっかりロリータらしさを追求していたり。
この間はイベントのオーガナイズまでしていたのを見かけました。中国に行ったら安ちゃんがお出迎えしてくれたからびっくりしたよ!

安然 ロリータの世界が本当に大好きだから、盛り上げていきたくて頑張っています!
でも中国のモデルさんは、スタイリングは自身ですることが多いです。
私の場合、昨年度は全部で700本くらいロリータの撮影をしましたが、9割は自分でスタイリングしました。

すごい数…!!

安然 中国のロリータブランドは、ワンピースと頭ものしか出していないところも多くて…

そっか! 日本のブランドは、今着ているドレスみたいにアクセサリーや小物までシリーズもので作られていることが一般的だけど、中国はまた違うんだ!

安然 そうなんです。なので、コーディネートを考えて私物の小物を合わせることも、ロリータモデルのお仕事の一つなんですよね。
ヘアセットやメイク、ネイルのデザインなども、ひとつひとつのコーディネートに合わせて自分で考えていきます。
なので、家にはロリータ専用のお部屋があってウィッグと、ロリータ小物がたくさん置いてあるんです。

素敵…!
ロリータさんの夢が詰まったお部屋だね♡

安然 好きなお洋服がたくさんの家に住んで、お仕事でもロリータが着られて楽しいです(笑)最近、自分の家を紹介する動画を撮ったので、そのうち公開すると思います!

おすすめの美容法♡


結構モデルさんみんなに聞いているんだけど…安ちゃんおすすめの美容法が聞きたいな♡
どうやってその綺麗なお肌を保っているのかなとか、中国の美容秘技!とかあったら教えてほしい…(笑)

安然 美容クリニックに毎週行ってます!

美容クリニック?
それって日本にもある??

安然 どうなんだろう?美容外科とエステが一体化しているようなところで…

なんかすごそう!!
そこで何をするの?

安然 割と何でもやってくれますよ!
私は主にフェイシャルだけど、漢方薬の蒸気を出す機械をあてて毛穴を開いて、針で手入れしてパックして。それでニキビ対策ができるんです。
あと、歯のホワイトニングも一緒にやってくれるので、それに毎週通ってます!

それぞれの悩みに合わせたメニューでやってくれるってこと?それはすごい、日本にもほしい…!!
中国では美容クリニックは一般的なものなの?

安然 モデルさんだけが行くような特別なところではないので、普通の子も行くと思います!
毎週行く子は、あんまりないかもしれないけど。(笑)

私はお顔のたるみ対策がしたいです!
前はコルギに通ってたけど、最近は何もしてなくて…

安然 たるみに関しては、中国より日本の方がいい印象があります!
リフトアップも日本の方が良いって、中国の若い子はみんな日本に行ってるよ!

日本の若い子はみんな韓国に行っているイメージがある!(笑)

安然 なんとなく、外国の美容法が良さそうに思えるのはみんな一緒なのかな。(笑)
でも個人的には、自国でやるのが一番いいと思ってます。
自国で提供されているものは、その国の人のために寄せたものになってることが多いので。
どの国も良いものはあるけど、自国のものが一番合ってると思う。

なるほど…!
遠い目標を見る前に、身近なところから。(笑)

安然 でも、逆に質問なんですが…
翠ちゃんはなんでそんなにお顔が小さいの?(笑)

私、兄弟の中では、一番顔大きいの…(笑)
お父さんの家族が小さいから遺伝?

安然 えええええ!羨ましい!!!
こうやってどうしても自分の足りないところばっかり見てしまうけれど、女の子がきれいになりたいのは別に悪いことじゃない。
女の子はやっぱり「きれい」を追い求めていくから。もっと「きれい」欲しい!(笑)
いろいろな国まで美容を追い求めて行くのも良いと思います!
自分にあった美容法を見つけて、みんな「きれい」を目指して頑張りたいね!

これからもどんどんモデルさんに美容法を聞いて真似していこうと思います!(笑)

日本ロリータと中国ロリータの違い


安然 中国では日本のロリータのことを「クラシカル」とか「伝統的ロリータ」と表現することもあります。
長い歴史の中で、BABYを筆頭に、それぞれのブランドが確固たるロリータのスタイルを確立しているな、と。
だから日本のロリータは、中国からすると先輩という感じがするし、自分は特にBABYがずっと好きだったから、初心はそこにあるという気持ちが強いです。その背中を追いかけて頑張りたい。
中国の方がスタート地点が遅いけれど、中国ブランドもここ数年で少しずつ良いものを作るようになってきていて、それはとても素敵なことだなと思っています。

今まさに、中国ではロリータブームがピークという感じだよね。
新しいロリータのスタイルもたくさん産み出されていて、日本よりももっと自由にロリータを楽しんでいるように見えます。
日本ではなかなか、若いロリータモデルさんが出てこなかったり、新しい世代に引き継いでいくのが難しいと感じることもあるんだけど、中国は若いロリータさんが本当に多いなって!

安然 確かに、いま中国では小学生もロリータを着ていたりします。
私は学生時代はずっとジャージだったから、羨ましいけど(笑)
中国のロリータは、いまや個性的なファッションというよりは、もうちょっと一般的なおしゃれとして捉えられています。
ロリータのことを知らない子が、日常のファッションに取り入れる感覚で着ていることも多いんです。

日本でも昔は、原宿発の流行ファッションみたいに取り上げられることもあったから、いま中国ではまさにそんな感じなのかな。
本当に普通の子が、日常のファッションとして着ていたり。

安然 はい、そんな感じです!
でも、私にとっては、ロリータはただのファッションというだけではなく、ロリータ精神っていうのかな?そういった心意気みたいなものがあって。
「周りに影響されずに、自分らしいスタイルを貫き続ける」ということがロリータだと思っているんですよね。

ロリータ愛好者さんの多くは、その気持ちを持っているんじゃないかな♡
国が違っていても、本当にロリータを心から愛している子がいて、気持ちの部分までこうやって共有できるのはとても嬉しいです!
安ちゃんみたいな次世代のロリータ伝道師さん、日本にも現れてほしい!(笑)

安然 私たちにとっては翠ちゃんがまさにそうですよ!!

ありがとう(笑)
長年頑張ってきたし、これからも続けていくつもりだけど、ロリータの世界を広げていくためには、やっぱり新しい世代にも引き継いでいかないとな、とも思っているの。

安然 きっと現れると思います!
なんでも栄えるとき、廃れるときというのはあるけれど、そんな中でも、特にロリータに関しては好きな人はずっと好きでいてくれるはず。
私も昔、翠さんのようにロリータを着続けている先輩方の姿に憧れて、始めているので!

そっかあ…よし、じゃあもうちょっと頑張ろう!(笑)

ロリータを自由に楽しもう♡


安然 中国では、今こそロリータは一般的になってきたけれど、10年前は全然そんなことなくて。
ロリータを着て街を出歩くなんて本当に珍しくて、人目を集めてしまうことも多かったんです。
日本でもそんなことはなかったですか?

確かに、白い目で見られたり冷やかされたりという話をよく聞く時期もあったな。
初期のころはおしゃれとして捉えられていた時期もあったし、逆に今となってはある意味そういうものとして定着しているのかなと思うけれど…

安然 やっぱり一緒なんだ!
そんな時期を乗り越えて、ずっと着続けているロリータの先輩方は本当に勇気があると思います。

ロリータさん同士の中でもルールに厳しくなりすぎてしまっていた時期もなかった?
ウィッグを被ってロリータを着るとコスプレって言われてしまうことがあったり、前髪はぱっつんじゃなきゃダメとか、日本ではそんな時期もありました。

安然 中国でもありましたよ!
中国のロリータは、ジャンパースカートの中に必ずブラウスを着ないといけないという時期があって。

それ、日本では今でもそんな傾向があるよ!(笑)

安然 今はロリータさんもみんな自主的になってきて、どうやったらかわいく気持ちよくロリータファッションを楽しめるのか、みんながそれぞれ考えてコーディネートするようになりました。
昔はタブーと言われたようなことも、新たな試みとしてチャレンジしていて、ブランド側もそれを受け入れて、寄り添おうとしている。
それはとても良いことで、ロリータが生活に根付くようになった、普及してきたということなんだと思っています!

日本のロリータのがちがちなルールが中国に輸出されたように、今は逆に、中国のロリータの自由さが、日本に逆輸入で入ってきていて。
センター分けのロリータはありえないなんて言われたときもあったけど、中国のかわいいロリータモデルさんの写真を見て、それもいいなって思う方が増えたり。
SNSで中国の「lo娘」の画像を見やすくなったから、日本のロリータの子もそれを参考にして、こんな着方をしてもいいんだ!これは新しい!って見ている様子を、よく見かけるようになったよ。

安然 やっぱりロリータは文化だから、お互いに反映しあって、新しいものを取り入れていきたいし、かといって昔ながらの良さを捨てるわけでもなく。
自由にカジュアルに、ロリータのお洋服を取り入れて着るときがあってもいい。
でもフルセットをしきたりに則って着るのは、やっぱり心がときめく!
そうやって使い分けてもいいのかなと思います。
ルールに捉われすぎず、より楽しみ方が広がっていけば、生活にもっとロリータを取り入れていけると思います。日本も中国も、お互いにいい影響を与え合いながら、ロリータがどんどん普及していくといいな!

Photo:枕鶴
Prop Styling:求愛行動/yui
Interpreter:星箱works

ページ: 1 2

この記事を書いた人

「原宿POP」の編集ライター。 柄もの・装飾過多・民族調が好きな個性派亜種ロリータ。 乗り鉄で旅好き。ロリータを広める旅、日々奔走中! Twitter:@raypsyca

新着記事