妖精帝國、最新アルバム「the age of villains」を分析!!

2020年04月11日 | ピックアップ
長澤智典
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 先日、4年半ぶりとなるオリジナル・アルバム「the age of villains」を発売した妖精帝國。 ゴシック系の装いを好むヴォーカリスト、終身独裁官ゆい(以下、ゆい)の存在感を通し妖精帝國に興味を持った方、彼女たちが主戦場にしているアニソンシーンでの活躍に惹かれた方など、入り口は様々だろう。ここでは、改めて妖精帝國の魅力を、最新アルバム「the age of villains」を手がかりにお伝えしたい。

妖精帝國とは…。

「妖精帝國とは一体、如何なる存在か…を語るうえでわかりやすいことから、先に、資料に記された文章をそのまま掲載したい。

「妖精の存在を信じなくなった人間が増え、荒廃の一途をたどる「妖精帝國」。音楽を通じて人間達に妖精の存在を思い出させ、妖精帝國を再興させるため、1997年に 名古屋市にて、妖精帝國の皇女ゆい(Vo)と、橘 尭葉<たちばなたかは>(Gt.)の2人が 音楽ユニット「妖精帝國第参軍楽隊」を結隊。便宜上ユニット名を「妖精帝國」とする。
さらに人間界でスカウトしたNanami<ななみ>(Ba.)・紫煉<しれん>(Gt.)・ Gight<がいと>(Dr.)の3名を加え、現在はバンドとして活動中。

ロック、ヘヴィメタルをベースに、クラッシックやテクノなどを融合させたヘヴィかつ アグレッシブなロックを紡ぎ出す。
TVアニメやゲームへの楽曲提供も行いながら、「臣民」と呼ばれるファンと共に「式典」と呼ばれるライブも定期的に実施。 紫煉の脱退に伴いXiVa伍長が、橘大尉のライブ出演引退に伴いryöga伍長が、それぞれ2019年に入隊。
現在の第参軍楽隊は、 Vo.終身独裁官ゆい Gt.XiVa伍長 Gt.ryöga伍長 Ba.Nanami准尉 Dr.Gight軍曹の5名」

この説明を読むことで、妖精帝國の概要はつかんでいただけたのではないだろうか。
バンドは1997年結成。すでに23年間という長い歴史を持っている。インディーズ時代からライブ活動や音源のリリースを続けていたが、当初は、現在のような大きな展開を描くことなく、ライブ本数も絞った形で活動を行なっていた。その環境もあり、当初は知る人ぞ知るではないが、ゴシックメタル/ヘヴィメタル/デジタルロックなどを軸に据えた美しさを備えつつも比較的暗鬱な音楽性や、心に痛い言葉を好む人たちの間で支持を得る存在だった。


当初から、ゆいがゴシックロリータ寄りのファッションを身につけていたことから、早い時期からゴスロリファッション好きな女性たちが妖精帝國に興味を示していた背景も、同時にあった。


▲Twitterでは、ゆいがラフォーレプライベートパーティーやデザフェスを楽しむ様子が投稿されていた。普段から原宿ファッションを愛好している様子だ。

妖精帝國が最初に大きく注目を集めたのが、2006年3月に、シングル「あしたを許して」を現在の所属レーベルであるLantisからリリースしたことからだった。いや、正確に伝えるなら、それまでの活動を集約させたアルバム「GOTHIC LOLITA PROPAGANDA」を発売し、その音楽性や妖精帝國が作りあげる独創的な世界観に、刺激に飢えた音楽を求めていたマニアックな音楽ファンや、心に劇薬を注ぎ込む音楽を探していたアニメファンたちが興奮と高揚を覚えたことからだった。
その後も、2ndアルバム「Gothic Lolita Doctrine」、3rdアルバム「gothic lolita agitator」と、「Gothic Lolita」を冠とした作品をリリースし、それまでに描き続けてきた”耽美さと過激な要素を重ね合わせたゴシックロマン”な音楽性を、妖精帝國は一つの極みまで描きあげていった。

その後、妖精帝國は次第にラウドな要素とシンフォニックな装いを強化。ジェントの要素を組み込むなど、より重低音と荘厳さを増した音楽性へと進化。以前から海外での支持の高かった妖精帝國だったが、音楽性が激しさと荘厳さを増すに従い、海外のアニメファンのみならずラウド/メタルファンからも高い支持を得るようになれば、その影響は逆に日本へも波及。アニメファンを中心に広がりだした国内人気の枠の中へ、音楽性に惹かれ支持を上げる声がさらに増えだしていった。

駆け足で紹介したが、近年の妖精帝國は、攻撃的で先鋭さを持った生音と荘厳麗美な交響曲的な要素を、より壮大さを増しながら曲々に描き出している。ゆいの歌声も、音楽性が鋭利さを増すごとに華激さを増幅させているように、刺々しい言葉の表現も相まって、第六感を揺さぶる音楽性として昇華されている。その姿を具現化したのが、最新アルバム「the age of villains」になる。

アルバム「the age of villains」に描かれた世界観。


アルバムは、弦楽と鍵盤の音色の上で、ゆいの吐息のようなセリフを漏らす「A Treatise of Villainy:The Seventy-Two Villainous Truths(And One Blasphemy)」から幕を開ける。言葉の背景で歌われる汚れなき少女のような歌声へ、美しき狂気さえ覚えてしまう。
物語は、一気に気勢を上げるように激しく、華やかで、荘厳な音を伴って幕を開ける。ゆいが激しく攻めたてるように歌う雄々しい歌声も印象的な「Autoscopy」。攻撃的な音楽性の中へ様式美的なドラマも描き出す「獄ノ幻」では、ラウド&シンフォニックな中から響き渡る、ゆいの攻撃的ながらも美しい歌声に強く惹かれてゆく。
ゴシックロマン…麗しき幻想的な調べから幕開けた楽曲は、一気に狂気の牙を剥き出して襲いかかる。美しさと高貴な世界観の中へ、脆く壊れそうな儚さを抱かせる「IRON ROSE」。幻想幻惑な物語へと身や心を落としてゆきながらも、痛い真相描写も印象深い、ダークでドラマチックな物語「Phantom terror」。
奈落の底へ誘うように流れる始まりも印象的。ゴシック&シンフォニック、ゆいの抑揚のある感情的な歌声が、まるで狂騒の儀式のようなにも響き渡る「濫觴永遠」。身体をギザギザの刃で切り刻むように激烈な演奏と、ハイトーンを活かしたゆいの狂気めいた歌声が心に痛い恍惚を与えてゆく「Eclipsed」。とても不気味な、まるでホラー映画の始まりを告げるように物語が始まる「 Hell in glass 」には、美しくも静かなる狂気を覚えずにいられない。

 ゆいの畳みかける歌声と楽曲が強いインパクトを持って胸に突き刺さる「絶」。これぞゴシックラウドシンフォニーと言うべき世界観を描写。ダークホラーな物語が広がる「Paradiso≒Inferno」は、今の妖精帝國の一つの真骨頂に思える。
 美しさと激しさが織りなす音の中、コスモの世界広がる「或る追憶、膨張宇宙に於ける深海乃ち萃点」は、激しさが増すごとに気持ちも高揚していく楽曲だ。最後を彩る「葬送フリヰジアン」にも、今の妖精帝國が求め描き出すゴシック/ラウド/シンフォニック/狂気/耽美など、あらゆる要素がカオスなドラマ曲として描き込まれている。 
どの歌の歌詞も、一度や二度触れるだけでは解釈が多様かつ難解な内容。そこは、触れた人たちなりに、1曲ごとの世界観へどっぷり浸りながら紐解いていただきたい。

そして、妖精帝國の近況について

最新アルバム「the age of villains」は、現在、店頭で発売中。同時に、ニューアルバム「the age of villains」を含む、妖精帝國の楽曲が主要サブスクリプション型(定額制)配信サービスにて配信開始されている。ネット上には「the age of villains」の試聴動画もアップになっているので、まずはそちらに触れていただくことをお勧めしたい。
 また,ゆいのtwitterには、ファッションに関する写真もアップされている。最近も、ラフォーレ原宿のとあるお店の洋服を着てのコーディネイト写真をアップ。そちらもチェックしていただきたい。

★音源情報★


「The age of villains」
妖精帝國
LACA-15820/\3,000 (税抜価格)+税/Lantis
2020年03月25日

1.A Treatise of Villainy: The Seventy-Two Villainous Truths (And One Blasphemy)
作詞:YUI 作曲・編曲:Gight
2.Autoscopy
作詞:YUI 作曲:ryöga 編曲:ryöga・第参軍楽隊
3.獄ノ幻
作詞:YUI 作曲:XiVa 編曲:XiVa・第参軍楽隊
4.IRON ROSE
作詞:YUI 作曲:ryöga 編曲:ryöga・XiVa・第参軍楽隊
5.Phantom terror
作詞:YUI 作曲:XiVa 編曲:XiVa・第参軍楽隊
6.濫觴永遠
作詞:YUI 作曲:Nanami 編曲:Nanami・第参軍楽隊
7.Eclipsed
作詞:YUI 作曲:Gight 編曲:Gight・第参軍楽隊
8.Hell in glass
作詞:YUI 作曲:ryöga 編曲:ryöga・第参軍楽隊
9.絶
作詞:YUI 作曲:Gight 編曲:Gight・第参軍楽隊
10.Paradiso≒Inferno
作詞:YUI 作曲:Nanami 編曲:Nanami・第参軍楽隊
11.或る追憶、膨張宇宙に於ける深海乃ち萃点
作詞:YUI 作曲:橘 尭葉 編曲:橘 尭葉・第参軍楽隊
12.葬送フリヰジアン
作詞:YUI 作曲:Nanami・橘 尭葉・Gight・XiVa・ryöga 編曲:XiVa・第参軍楽隊

配信情報

配信はApple Music、ANiUTa、Amazon Music Unlimited、AWA、うたパス、Google Play Music、KKBOX、Spotify、dミュージック、LINE MUSIC、RecMusicなどにて行っております。

主要サブスクリプションサービスの妖精帝國アーティストページはこちらから

https://lnk.to/000123                                  

妖精帝國 Web

http://dasfeenreich.com/

妖精帝國 Lantis Web

https://www.lantis.jp/artist/dasfeenreich/

終身独裁官ゆい twitter

https://twitter.com/yui_fairithm

HARAJUKU POP WEBイチオシ「妖精帝國」楽曲

空想メソロギヰ(アニメ「未来日記」のOP)

https://www.youtube.com/watch?v=ZZvJY7_gyfw

Schwarzer Sarg(「Gothic Lolita Doctrine」に収録)

https://www.youtube.com/watch?v=Vv94is3BZ3I

Baptize(「gothic lolita agitator」に収録/アニメ「聖痕のクエイサー」OP)

https://www.youtube.com/watch?v=4_Nj3ptrZSQ

DISORDER(アニメ「ビッグオーダー」OP)

https://www.youtube.com/watch?v=i5OeuVSr2T4

この記事を書いた人

長澤智典
音楽を中心に執筆中のライター。「あなたのため」に頑張ります。 twitter @nagasawatomonor Web http://vues.jp/

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