PAREDが描く、「夜」を舞台にしたいろんな心の物語。1stフルアルバム『Room Night』リリース!

2022年03月24日 | インタビュー
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PAREDが3月16日に発売する 1stアルバム『Room Night』は、「夜に聴きたくなる曲」をコンセプトに制作した作品。本作には、みきとP×堂村璃羽・ひとしずく×やま△・こめだわら・神前暁・ミト(クラムボン)が書き下ろし曲を提供。PAREDが得意としているカバー曲も数多く収録。PAREDがどんな想いを胸にアルバム『Room Night』を作り上げたのか、その胸の内を聞いた。

Netflixで「ワンピース」を見ていたはずが、寝落ちしてしまい、気付いたらルフィが敵キャラを全員倒してたことも(笑)

──1stアルバム『Room Night』は、「夜に聴きたくなる曲」をコンセプトに作り上げた作品。夜は、いろんな妄想が広がりやすい時間帯ですよね。

PARED そうなんです。お風呂でゆったりすることも、友達と通話をしたり、ゲームに夢中になったりすることも、そう。僕自身、夜が一番落ち着くし、一番楽しい時間帯です。

──PAREDさんは、夜型ですか?

PARED 昼夜逆転の生活をしていたこともをありましたけど。今は、自分の生活サイクルを作り、それを心がけるようにしています。普段、会社員として働いている方に比べたら遅いほうですけど。朝は10時頃に起きて、朝食を食べるなどリラックスした時間を取りながら過ごし、レコーディングなどの制作に入るのがお昼過ぎ頃。作業を終えるのが19時前後。もちろん、場合によって21時や22時頃になることもあります。その後に晩御飯を食べ、お風呂に入ってゆったりしたうえで、友達と会話をしたり、ゲームに興じたり。でも、夜更かしすることなく、深夜を超えた時間後は、なるべく早めに就寝するように心がけています。
もちろん、夜中にいろいろやっているときのほうが楽しいから、夜更かしすることもあります。Netflixで「ワンピース」を見ていたはずが、寝落ちしてしまい、気付いたらルフィが敵キャラを全員倒してたり(笑)。最近では、「もうちょっと起きていたいな」と思っても、無理やりベッドに入り、生活のペースを乱さないよう心がけてもいます。

──生活のリズムを作るのは大事なことですもんね。

PARED そうなんですよね。たとえ作業のない日でも、同じ生活サイクルを心がけるようにしています。僕の場合、毎朝9時にアラームをかけているんですね。その時間帯に目を覚ますことで、体内時計の基準値が9時と定まってゆく。そこから起きるまで1時間くらい、ベッドの中でケータイをいじったりしているんですけど(笑)。低血圧なのか、起きるまで気持ちや身体に余裕を持たせることも大事にしています。
レコーディングなどの制作作業も、そう。たとえば13時から始めて19時までやったとしても、けっしてぶっ通しでやるわけではない。僕の場合、集中力が途切れると作業が遅々としてしまうことから。一度高めた集中力が切れ始めたら休憩を入れ、そこから再開することもあれば、違う作業や楽曲のレコーディングを行い、異なる環境で集中力を高めることもある。自宅作業の場合は、そうやって進めています。今回のアルバムのように、外のスタジオでのレコーディングの場合は、その中でのサイクルを作るように心がけています。

収録曲に込めた想い、あれやこれや…。

──今回収録した曲たちは、どれも「夜」を舞台にしています。どの楽曲も、いい感じで妄想が膨らんでいますよね。ときにはそれが怪しいほうへ傾いたり…。

PARED そうですね。アルバムに収録したカバー曲の『シャンティ』(wotaku)はとくに、ダークな心情へ引きずってゆくドロドロとした感じを出している楽曲ですからね。「夜」という括りの中にもいろんな感情や景色がありますが、『シャンティ』は夜の中へ漆黒の闇の世界を描き出している。歌うときもその世界観へ寄り添うように、いつも以上に低い歌声で迫るように歌いました。いつの間にか自分自身が物語の世界観へどっぷり入り込んでいたくらい、『シャンティ』は歌っていても楽しかったですね。

──カバーは全部で7曲収録。中でも、ボカロPさんの曲たちは、けっこう闇寄りが多くないですか?

PARED 比較的そうなりました。時間帯でいえば「夜に入る前の夕方頃」から、「深夜2-3時頃の景色」、「夜明け前の心情」など、オリジナル曲も含め、「夜」にもいろんな幅を持たせています。
アルバムに収録したJ-POPのカバーですが『ブルーバード』(いきものがかり)は、歌詞に「蒼い蒼いあの空」と出てくるように一見「昼」をイメージしがちですけど。あの歌詞の中で歌っている「蒼い蒼いあの空」は今ではなく、「蒼いあの空へ羽ばたきたい」と時間が経過した中で想いを馳せている。しかも、「明日」を見据えた前向きな想いもここには綴られている。つまり、そういう想いにかられているのは「夜」という時間帯だと思えたことから選びました。疾走感がある楽曲の中、僕自身は歌声を通し、その日1日の感情を描き現したと言いますか、悲しい、つらい、寂しい、愛おしいなど、その日の中で覚えた心情を1曲の中でまとめあげるように歌いました。

──『ナンセンスゲーム』は、昨年ライブ配信したahamo様主催のイベントで披露した歌でした。この曲も、上手く「夜」というテーマに重なり合いましたね。

PARED 『ナンセンスゲーム』の主人公は、脳内で会社や、社内での人間関係に対しての不満やグチをぶちまけてゆく。しかもそれが、残業をしている時間帯。夜を舞台にしていることで『Room Night』のコンセプトともハマることから、収録をしました。

──「ナンセンスゲーム」の主人公は、かなり不満をぶつけていません?

PARED けっこう、おらついた感じですよね。誰だって仕事でストレスが溜まると、こういう感情が出てしまうんじゃないかと思います。じつは「ナンセンスゲーム」が、アルバムに繋がる一つのきっかけにもなりました。

──そこ、気になります。

PARED ahamo主催のイベントで『ナンセンスゲーム』を披露したとき、審査員でいたのがクラムボンのミトさんであり、神前暁(MONACA)さん。お二人が「あの曲いいよね」と話してたのを聞いて、めっちゃ嬉しい気持ちになりました。そのときの思いもあって、アルバム用にオリジナル楽曲を書き下ろしてもらう上で誰に頼むかという話になったとき、僕が「クラムボンのミトさんと神前暁(MONACA)さんにお願いをしたい」と言い出したことから、お二人に新曲を書き下ろしていただくことにもなりました。

──そういう繋がりもあったんですね。

PARED そうなんですよ。ミトさんが書いてくださった『ポラリス』には、想い慕う相手に向けた、主人公のドロドロとした一方的な感情や嫉妬心などが記されています。相手の幸せを願いながらも、自分にとって特別な存在でもあって欲しい。ここには、いろんな感情が入り乱れるように書かれています。だからと言って、主人公に救いの手を伸ばしたいわけではなく、「そういう気持ちもわかるよ」と共感してもらえたら。僕自身は、まさにそんな気持ちで『ポラリス』を受け止めています。

──『ポラリス』は相手に想いを馳せていますが、『堕天』は自問自答を繰り広げてゆく内容じゃない?

PARED 「黄昏、時は待ち焦がれ 僕達を置いてゆく」と書いてあるように、この曲も時間帯は「夜」。静寂と、夜の闇が包み込む中で主人公は自問自答してゆく…。この曲を歌うとき、なるべく主人公の感情や環境に近づけたくて、レコーディングスタジオのブースを真っ暗にし、歌詞がちょっとだけ見えるくらいの手明かりの中で歌いました。僕は視力が良くないから目にはとても悪い環境だったし、できれば真似してほしくない録り方ですけど。そこまでしてでも、歌の世界へ入り込みながら歌いたかったんですよね。

──暗闇の中、一人想いを巡らせる歌が『Room Night』には多いから、そのシチュエーションで歌ったほうが感情移入しやすいのもわかる気がします。

PARED 「夜」って自分だけの世界じゃないですか。その時間帯に一人想いを巡らせるときって、誰にも関与されたくないんですよ。そりゃあ、好きな人と一緒に過ごす夜も幸せだと思いますけど。一人の時間のほうが自分の気持ちとも素直に対峙していける。だからこのアルバムでは、「一人の時間の中で思いを巡らせる歌」が多くなったんだと思います。

僕自身も遠く離れてる人と会いたくても会えない経験があるからこそ、『テレフォン・ラブ』の歌詞やセリフはめちゃめちゃ気持ちに刺さりました。

──アルバムの冒頭を飾った、遠距離恋愛をテーマにした『テレフォン・ラブ』は、恋人との思いのやりとりを歌やセリフを通して記した楽曲になります。

PARED 『テレフォン・ラブ』に記したのは、好きな人と会えないつらさ。でも、電波では相手と繋がりあえている。会いたくても会えない、コロナ禍以降の今の時代に沿った内容にもなりました。

──『テレフォン・ラブ』の中、男性と女性が言葉を交わすセリフパートも登場します。その男性をPAREDさんが担えば、博多弁でも話していますよね。

PARED 最初は標準語での会話にしていたんですよ。だけど、スタジオでレコーディングをしていく中、作詞をして頂いた堂村(璃羽)さんに「セリフのやりとりが固すぎるから、もっとラフな感じにいけないかな」と提案を受け、「慣れ親しんだ博多弁だったらラフにいける」と返答したところ、一度やってみようということになり、「次いつになったら会えると?」など博多弁を使ったところ、「そのラフさがめちゃくちゃいい」となり、それを反映した形を取りました。それに、博多弁と標準語での会話のほうが、博多と東京との遠距離恋愛という関係性としても伝わりますからね。

──二人とも「会いたい」思いを言葉にして伝えてきますけど。でも最後に女性は「待たせてばっかでごめん」と、今はまだ会えない思いを伝えます。そこに、「なぜ会えないの?」「どんな理由があるの?」など、いろんな妄想が掻き立てられるんですよね。

PARED 『テレフォン・ラブ』は、いろんな情景を想像させますよね。僕自身も遠く離れてる人と会いたくても会えない経験があるからこそ、この歌詞やセリフはめちゃめちゃ気持ちに刺さりました。自分でセリフを語りながら、「電話の向こうで相手は今、何してるのかな」「そこで踏み込んで聞いてしまったら、逆に不信がられるかな」と想像を巡らせたり…。
いつもお互いに会えている関係だったら、「どこそこへ行こうよ」と誘いかけ、「また今度ね」と断られたとしても、「わかった、じゃあ何日だったら、どう?約束だよ」と、もっとラフに会話も交わせるけど。お互いに離れているからこそ、相手の今の環境がわからないぶん突っ込んだ話は出来ないし、変に遠慮してしまう。そのうえで振り絞った言葉に対する返答次第で、さらに想いが膨らんだり不安にもなっていく。それくらいこの歌詞にはめちゃくちゃ共感を覚えました。

──『テレフォン・ラブ』の歌詞について語ったPAREDさんの言葉の重み、すごくわかります。

PARED この歌に出てくる男性も、女性も、会いたくても会えないつらさを感じている。女性から「最初のデートの場所覚えてる?」と問いかけたのも、相手がどこまで想っているのかを確かめるために投げた言葉。この歌に出てくる男女とも、しっかり恋愛に向きあっている。彼女の問いかけに対して、男性側が「忘れるわけないやん(笑)多分」と答えますけど。それだって、冗談を言い合えるくらい深い仲だからこそ。なのに、今はまだ会えない…。本当に歌ってて切なくなりますよね。
とくに今の時期は、同じような想いを抱えてる人は多いと思います。会いたくても会えないのをわかっていながら。それでも、電波(電話)を通して繋がることで相手を身近にも感じれるからこそ、相手に対してわがままを言いたくもなってしまう。『テレフォン・ラブ』は、本当にいろんな妄想を掻き立ててくれますよね。

──その悶々とした気持ちが、『堕天』の自問自答した感情に繋がっていくんでしょうね。

PARED きっと、そうなんだと思います。『テレフォン・ラブ』が表立って見える感情だとしたら、『堕天』に記したのは、誰にも見せないし、見せたくない裏側の感情。そこから、このアルバムは、陽の光を浴びる気持ちもあれば、影を抱く気持ちもあるなど、曲が変わるごとに表裏いろんな気持ちを描きだしてゆく。そのうえで、最後に『痛いよ』(清竜人カバー)へと繋がる。僕の中で、「このアルバムのシメはこの曲」と思っていたように、絶対に外せない楽曲として収録しました。

──アルバムの最後を『痛いよ』で締めくくった理由も教えてください。

PARED 最初は、その人にしか見せない感情をすごく優しく表現していくんですけど。最後へ向かうにつれ、本当に君のことで気持ちがいっぱいいっぱいなんだよと、募りに募った感情を我慢できずにぶちまけてゆく。
アルバムの最初と最後を飾った『テレフォン・ラブ』と『痛いよ』には、僕自身の素直な思いや思い出、感情が詰め込まれている。だからこそ、この2曲をアルバムの始まりと終わりに据えたかったんですよね。とくに『痛いよ』は共感がすごすぎて、歌いながらマジに泣きそうになっていました。そうなってしまうのも、この曲を歌ってると、自分の中にある楽しい思い出とつらい思い出がぐちゃぐちゃになって出てくるからなんでしょうね。それくらい、『痛いよ』はめっちゃ好きな曲です。
夜、一人でいる時間は誰にも気を使うことなく自分らしくいれる。だから僕は、「夜」という時間に愛おしさを感じるし、大切に思うんでしょうね。

──収録したどの楽曲も、気持ちが悶々としていますよね。それこそが、夜だからこそ生まれる感情だとも思っています。

PARED 一口に「夜」と言っても、そこには「いろんな夜」の表情がある。楽しい夜も、切ない夜も、心霊現象じゃないけど、そういうことに恐怖を覚えるのも闇に包まれた夜だから。これは、僕自身についてになりますが、夜、一人でいる時間は誰にも気を使うことなく自分らしくいれる。だから僕は、「夜」という時間に愛おしさを感じるし、大切に思うんでしょうね。

──オリジナルが5曲、ボカロカバーが5曲、J-POPカバーが2曲というバランスも絶妙です。

PARED 今はオリジナル曲を増やしている時期。同時に、公式YouTubeチャンネルでアップしているカバー動画の割合もボカロ曲が多めながら、J-POPも徐々に数を増やしている。今も、ボカロ曲のカバーで出会う人たちは多いです。でも、J-POPのカバーを通して僕と出会う人たちも確実に増えている。もちろん、オリジナル曲だってもっともっとアップしていきたい。今の僕の投稿動画の比重を考えたら、このバランスが一番PAREDらしいことから、そうしました。

──PAREDさんは多彩な表現枠を持っている方ですけど。今回のように「夜」という一つのテーマを設け、その中で多彩な面を見せたことで、さらにPAREDさんらしさと多様性を感じることが出来たなとも、アルバム『Room Night』を聴きながら感じました。

PARED パレットという名前だけあって、いろんな色を混ぜ合わせ、最終的に一つの色になってこそ。だからと言って何でもかんでも混ぜ合わせるわけではない。今回でいえば「夜」というテーマを絞ったように、混ぜ合わせる一つ一つの色を明確にしてゆく。それを、テーマを定めた1枚のキャンパスの中へ混ぜ合わせることで、今回の『Room Night』のように色の見えるアルバムになっていくわけなんです。

──確かにアルバム『Room Night』からは、PAREDさんのいろんな歌声の表情を味わえながらも、らしい色も見えてきますからね。

PARED アルバム『Room Night』は「夜」をテーマに据えたこともあって、静寂さや落ち着いた表情、ドロドロとしたダークな面や、その中でもがなったり、ちょっときつめな声色を出したりと、いろんな感情の揺れの見える歌声を映し出しています。聞き飽きることはないと思いますから、ぜひ、みなさん触れてみてください。

TEXT:長澤智典

Room Night

1stフルアルバム『Room Night』
2022.3.16 発売

PARED、“夜に聴きたくなる楽曲”をコンセプトにファーストフルアルバムをリリース。
ハスキーでパワフルな歌声が特徴なシンガー「PARED」。YouTubeに投稿した「天ノ弱」のピアノアレンジカバーは800万再生越えのHITを記録。
今作「Room Night」は“夜に聴きたくなる楽曲”をコンセプトに制作された、PAREDのファーストフルアルバム。
みきとP×堂村璃羽による「テレフォン・ラブ」、こめだわら作詞作曲「堕天」ほか、神前暁、ミト(クラムボン)といった著名作家人が新規楽曲を書き下ろし。
さらに「フォニイ」「メビウス」など大人気ボカロ曲や「ブルーバード」「痛いよ」などJ-POPのカバーも収録。


初回限定盤(CD+DVD)
PCCA.06120 / 3,630円(税込)


通常盤(CD ONLY)
PCCA.06121 / 3,080円(税込)

PARED

1999年2月6日生まれのアーティスト、PARED(パレッド)
福岡の高校を卒業後神奈川県の一般企業に就職し、並行してツイキャス配信を趣味として始める。
そこから友人の誘いをきっかけにcover曲の投稿を開始し、以後高い頻度でTiktokやYouTubeにcover楽曲を投稿している。
YouTubeに投稿した「天ノ弱」のピアノアレンジカバーは780万再生越えのHITを記録。同作ではTikTokでも28万イイネ以上を獲得。
2021年2月には映画「ツナガレラジオ~僕らの雨降Days~」の主題歌に抜擢。
今後の活動が期待される新進気鋭のボーカリストである。

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YouTube:PARED

この記事を書いた人

音楽を中心に執筆中のライター。「あなたのため」に頑張ります。 twitter @nagasawatomonor Web http://vues.jp/

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