
『MEN’s EVO』の新連載「クリエーターズ・スタイリング・ファイル」第一回に、俳優・サックスプレーヤーの武田真治さんと音楽プロデューサーの伊藤一則さんが登場。
初対面にも関わらず、冒頭から熱いファッション論が展開された貴重な対談をご紹介します。
音楽とファッションは”自己表現”という点で親和性が高い
ONE OK ROCKやTHE ORAL CIGARETTESなどを手がける音楽プロデューサー・伊藤一則さんと、90年代からファッションアイコンとして活躍してきた武田真治さん。
二人の対談は、音楽とファッションの共通点から始まりました。
「結構親和性高いって言われるんですけどね。音楽とファッションには”自己表現”という共通点があると思います」と語る伊藤さんに対し、武田さんは「正直に申し上げると…あれは、当時のファッション誌のアイコンでもありましたよね」と、自身の90年代の経験を振り返ります。
90年代はちょっと不健康なくらいがかっこいいとされた時代
「ニルヴァーナに代表されるグランジムーブメントの影響もあってか、まだちょっと不健康なくらいがかっこいいとされた時代でした。僕自身も不健康そのものでした(笑)」と武田さん。
伊藤さんも「当時ストイックとかルーティンって言葉がなかったですもんね。僕も5年ぐらい前ランニング始めたんですけど、最初はちょっと恥ずかしかった。日本はワーキングアウト的なものは遅れてますよね」と同調します。
現代とは真逆の価値観が、当時のファッション・音楽シーンを形成していたことがわかります。
対談のハイライトとなったのが、武田さんの「ファッションは”ズレとギャップ”ですね。わかりやすい例で言うと”普通汗だくのスポーツ選手が涼しげにスーツ着てる”的な。だから、ギャップを演出しろってことですね」という発言。
さらに、「努力が伴うじゃないですか。”この服を着たいから鍛えよう”とか”もうちょっと痩せよう”とか…服をカッコ良く着る為には、ちょっと努力がいる」と、ファッションに対する真摯な姿勢を語ります。
また伊藤さんも「着ている服でやっている音楽が想像できてしまうのはファッションではない」と、音楽プロデューサーならではの鋭い視点を提示。
音楽とファッションのコラボレーションについても、「アーティストのCDにTシャツをつけたいという企画があったとして、アーティストが自分の作品に相乗効果を与えるとアパレルメーカーにオファーしてコラボしても、なかなかうまくいかない」と業界の現実を語っています。
二人のファッション哲学が撮影当日のスタイリングにも
紙面に掲載された、それぞれのファッションも注目ポイント。
武田真治さん

デニムパンツ:イサムカタヤマ バックラッシュ
ブルゾン、タンクトップ:スタイリスト私物
ターコイズブレスレット、シューズ:モデル私物
伊藤一則さん

BDシャツ:Nautica
ショーツ:Imprestore
靴:Timberland
ソックス:Uniqlo
リング:IN-PUT-OUT
ピアス :MUZE
互いに影響を受け合う、クリエイター同士の化学反応

インタビューの最後では、互いにコラボレーションを提案するほど意気投合した二人。初対面とは思えない化学反応が、読者にとっても刺激的な内容となっています。
伊藤さんは「当時はストイックやルーティンという言葉がなかった」「運動を維持・継続するには知性が必要」と、音楽やライフスタイルに関する独自の視点を披露。武田さんとの共通点を見つけながら、新たな発見も生まれた貴重な対談となりました。
単なるファッション紹介を超え、二人のクリエイターの生き方や価値観まで深く掘り下げた今回の企画。音楽とファッションの関係性について新たな視点を提供する、読み応えのある内容となっています。
Photo:河井彩美
Styling:伊藤伸哉(武田)
Make-Up:堀江万智子(武田)、ミーコ(伊藤)
Interview:武市尚子
伊藤一則(Kazunori Ito)
音楽プロデューサー・ディレクター。
数々の有名アーティストをプロデュース。
主な手掛けたアーティストはONE OK ROCK(2006〜2021年)、THE ORAL CIGARETTES、フレデリック、森大翔、YAJICO GIRL等、多岐にわたる。また、ファッションにも造詣が深い。
武田真治(Shinji Takeda)
俳優・サックスプレイヤー。
1990年、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞し、芸能界入り。
以降、テレビドラマ、舞台、バラエティ番組などで活躍。1990年代、メンズファッション雑誌ではファッション・アイコンといわれる存在でもあった。
充実した対談の続きはMEN’s EVOでチェック

MENsEVO vol.01
A4カラー/96P
2025年7月18日(金)書店販売
︎表紙は ver.LIL LEAGUE、ver.KID PHENOMENONの2パターン!
今回ご紹介したのは、熱い対談のほんの一部。
90年代を実際に体験してきたクリエイター同士だからこそ語れる、リアルで深いカルチャー論が詰まった貴重な対談の全文は、ぜひ好評発売中の『MEN’s EVO』でご覧ください。













