
『MEN’s EVO』で新たにスタートした企画「不思議に心揺るがすスポットのカタログ」。
経済愛好家・コラムニストとして独自の視点で人生を語る肉乃小路ニクヨさんが、大都会に隠れた特別な場所を紹介していきます。第一回は、JR鶴見線の終着駅・海芝浦駅へ。
電車でしか行けない”秘境駅”の特別感

「以前、YouTubeの『女装産業 Bureau』というチャンネルの撮影で訪れたことがあったんですけど、夜だったから海芝浦のポテンシャルの半分ぐらいしか感じられなかったんですよね。昼間来てみたいと思っていて、今回こういうお話があったので、ぜひ行こう、と」
そう語るニクヨさんが選んだ海芝浦駅は、電車でしかアクセスできない特殊な立地。
工場群に囲まれ、一般の人は改札を出ることができない”駅なのに降りられない”という不思議な制約が、訪問者の想像力をかき立てます。
昭和がそのまま残る鶴見線の風情

ニクヨさんが惹かれるスポットの傾向について尋ねると、「あんまり人気(ひとけ)のないところが好きかも知れない。今日の海芝浦も観光の方はいたけど、基本は閑散としている。海側からは橋や工場群、京浜工業地帯の中心を感じさせる景色が広がる」とのこと。
この「人けのなさ」こそが、ニクヨさんにとって特別な魅力。観光地化されていない、ありのままの風景に価値を見出しているのが印象的です。
海芝浦駅を含む鶴見線について、ニクヨさんは「昭和がそのまんま残ってる感じ」と表現します。
「京浜工業地帯の草創期というか、日本の工業化そのものの歴史の痕跡がありますよね。駅のベンチの高さや飾られている時計などから昭和の歴史が感じられる。夜に行くとシーンとしていて雰囲気がある」
また、1994年の第111回芥川賞作品『タイムスリップ・コンビナート』(笙野頼子)の舞台となったことでも注目度が高まったこの駅。文学作品の舞台としても特別な存在感を放っています。
自分に投資して勉強していけば、収入がぐんと伸ばせる時代
経済愛好家としての顔も持つニクヨさんは、現代の若者に向けたメッセージも。
「今、若い方だと、賃上げも勢いがあるし、自分に投資して勉強していけば、収入がぐんと伸ばせる時代に変わってる。少子高齢化によって、労働に希少価値が与えられる時代になってきたからね」
ただし、「世の中うまい話はない」と前置きしつつ、「少額から投資して経験を増やしてセンシング能力を磨くことが大事」とアドバイス。
AI時代だからこそ、人間ならではの感覚や言語化する力を磨くことの重要性を説いています。
大都会の片隅に佇む海芝浦駅は過去と現在をつなぐ特別な場所
ニクヨさんの独特な視点は、歴史的な場所や映画を通じて時代の変化を感じ取ることにも及びます。
「古い映画や、その中に映る時代の風俗を意識的に観たり、歴史的な背景や時代の変化を推測し楽しむ」姿勢からは、単なる観光とは一線を画した深い洞察力が感じられます。
大都会の片隅に佇む海芝浦駅は、まさにニクヨさんが語る「過去と現在をそのままつないでいるかのような」スポット。
工業化の歴史を背負いながら、現代でも静かにその役割を果たし続けています。
Interview:田部井徹
肉乃小路ニクヨ
「経済愛好家」「コラムニスト」「ニューレディ」。1975年千葉県出身。
大学在学中(1996年)女装を開始。証券会社に就職後、銀行と保険会社でキャリアを積む。会社員と並行してショウガール・ゲイバーのママとして勤務。
経済・お金・ライフハック・人生観を独自の視点で語る。
ニクヨさんならではの考察と、視点で切り取られる都市の隠れた魅力はMEN’s EVO紙面で

MENsEVO vol.01
A4カラー/96P
2025年7月18日(金)書店販売
︎表紙は ver.LIL LEAGUE、ver.KID PHENOMENON の2パターン!
ニクヨさんならではの独特な視点で切り取られる、都市の隠れた魅力。
たっぷりと広がるこの企画の続きは、『MEN’s EVO』誌面でお楽しみください。













