1980年代に現れた日本独自のストリートファッション・ロリータ服は、ヨーロッパのバロック、ロココ、ヴィクトリア時代の貴族ドレスに、少女趣味的なイメージが合わさって形成された、誰もがお姫様になれる夢が詰まった服です。
最大の特徴はお洋服のコンセプトはあれど、各アイテムやアクセサリーを自由に組み合わせて、自分独自の着こなしを楽しめること。なので、コーデを支えるアクセサリーやヘッドドレス、バッグなどのアイテムが重要になってきます。
制作しているブランドは大手から受注を受けている所もあれば、まだ知られざるインディーズまでたくさんあります。そんな多くのブランドが集結し、自分のお洋服を彩るアイテムを求めるロリータさんにとって、出会いの場がゴシック&ロリータ系展示即売会&ファッションショー「Romantic A La Mode」(通称ロマアラ)です。
大阪市中央公会堂
大阪市中央公会堂3F
3月21日に大阪府・大阪市中央公会堂で開催された同イベントに、モデルの赤莉かえちゃんと行ってきたので、注目のブランドさんやアイテムを紹介します。通販をやっている所もたくさんあるので、この機会にチェックしてみてください。ロリータさんでなくとも、身に付けたい可愛いアイテムがもりだくさんでした。
※撮影は特別の許可のもと、撮影直前までマスクをし、来場者入れ替えの小休止時間帯を中心に、人混みを避けた会場の隅、休憩&撮影開放エリアで行いました。
赤莉かえ/プロフィール
モデルとして活動。写真家HASEOさんの写真集『花と美女』にも出演。最近、活動拠点を東京に移しました。
Twitter:@Akari_kae
Instagram:kaeism
「Romantic A La Mode」
2008年から大阪で始まったゴシック&ロリィタ系展示即売会。「 ”可愛い” や ”お洒落” が大好きな女の子の為の、お買い物&交流イベント」がコンセプトで、今回で17回目の開催。2020年は新型コロナウイルス 感染症流行の影響で開催が中止されたものの、3月21日はファッションショー無し、入場制限や混雑防止のための整理券配布、来場者も時間帯ごとの入れ替え制にする滞在時間制限など、感染症対策徹底が徹底された中で、全51ブランドが出展しました。
大阪市中央公会堂は宮殿を思わせる美しい内装。同日、各ブランドの出店エリアは3階でしたが、1階をまるごと休憩&撮影エリアとして開放。まるで“昭和のコミックマーケット”のようでした。
公式HP:http://romantic-a-la-mode.com/gaiyou.html
Twitter:@RomanticALaMode
COLD SLEEP by millna
「COLD SLEEP by millna」millnaさん
ファッションデザイナー/人形作家のmillna(見るな)さんが手がける、ニッチでキュートなアクセサリーブランド。[標本]をコンセプトに、小さな永遠を作ろうと試みるものです。
ブランド名の由来は、惑星間飛行における人工冬眠。まだ架空の技術です。
そんなふうに、遠い時代のアンティークジュエリーへ、令和の現代に蘇ればどう作られるだろうと想いを馳せ、オリジナルのファッションアイテムやアクセサリーを企画・制作しています。
代表作は、ドールフェイス型マスクを生きた人間としてメイクアップした「DOLL GAL millna」や「橋本ルル」、電気によって輝くLED後光「modern halo crown」、従来隠される下着の表面化「ドロワーズバッグ」などがあります。
HP: https://www.millna.net/#profile
Twitter: @mi_te_yo
Anges et Demons
「Anges et Demons」作家のdeviさんと2ショット
Anges et Demons(アンジェ エ ディモン) は、フランス語で天使と悪魔の意味。
デザイナーのdeviさんが気品と可愛らしさの両立をテーマに、フラワーアレンジを取り入れたヘアアクセサリーを提案しています。姉妹ブランドとして「Vaichurus」、「Fleurette」も展開しています
「Vaichurus」はヴァンパイアをモチーフにゴシックでエレガンスな世界観を表現。「Fleurette」は野に咲く花を摘む少女のような可憐さをレディに。
「ロマアラ」は同ブランドが初めて出展したイベントで(2014年ごろ)、大阪の地から始まってブランドが大きくなった背景から、特別思い入れがあるとのこと。deviさんはホームに帰ってきたようで感慨深さを抱いていると語りました。
今回持ち込んだ作品の中では、「バタフライムーンカチューシャ」が特に人気が高かったです。
HP: http://anges.html.xdomain.jp
Twitter: @aed_devi
MERCI MEL
「Romantic A La Mode」作家のなすこさん
デザイナーのなすこさんが「〜今日の私はお姫様〜」をコンセプトに、フェイクスイーツアクセサリー、ヘアドレスなどを制作するブランド。10年以上続く人気ブランドで、本物よりも可愛くて美味しそうなアクセサリーで使われる赤色は実は青寄り。それはなすこさんが可愛いと感じる色味を大事にしているそうです。
HP: http://mercimel.net
Twitter:@manastacian
チェルシィ
2006年に立ち上がった乙女メルヘンなお菓子モチーフのアクセサリーブランド。
「ロマアラ 」ではピンク×赤いちごの組み合わせ中心に、ハートケーキやパンケーキ、ショートケーキバレッタ、ホイップスプーンなどのいちごシリーズ、トランプクッキーが大変可愛らしかったです。
HP: https://lit.link/chelsea
Twitter:@erry_chelsea
ゴシックホリック
モフモフしたケモノの耳としっぽなどのゴシックなアクセサリーを制作。耳しっぽのシルクハット、キツネやネコ、ウサギ、クマなどのケモ耳クリップ、蝶々やコウモリクリップなど、お洋服の雰囲気に合わせたり、ガラリと印象を変えたりする選択肢をたくさん提供してくれます。
HP: https://gothicholic.com
Twitter:@gothholi
Eden;
“a innocent virgin”をコンセプトに繊細で儚い少女性を表現した服飾物・アクセサリーを製作、販売。実は赤莉かえちゃんがモデルを務めたことがあります。
すべてハンドメイドで製作しています。春カラー中心にEden;定番のレース襟は使いやすい丸襟やシャツ襟からクラシカルなスクエア襟など様々なデザインがありました。
新作「strawberry embroidery roundcollar」は、いちごケーキの刺繍が施された甘さたっぷりの付け襟。後ろはリボン編み上げデザインで可愛い丸襟になります。
新作「strawberry embroidery squarecollar」は、いちご刺繍生地にオーガンジーのリボンで装飾したスクエア型の付け襟。いちごとリボン中心の刺繍にケミカルレースを用いてふんわりした軽やかさのある仕立てなので、丸襟とはまた違った雰囲気に。
赤莉かえ:3作品4アイテムのモデルをさせて頂きました。
他にはない可愛くて繊細なレースや生地のつけ襟なので、作品の雰囲気を壊さないコーディネートを考え、撮影した事を覚えています。
撮影時は、写真を撮った時にレースの細かい柄がくっきり映ること、そしてレースの模様が髪やポーズをとった時の手や体と被らない様注意し撮影した事を覚えています。
また、作品の色味は、実物と近い物が出る様に撮影しました。
HP: https://eden.thebase.in
Twitter: @eden_secret
モミジエリ
衣装作家&洋裁講師のモミジエリさんによるオーダーメイドの衣装製作チーム モミジラボ。ウェディングドレス、個性派ドレス、ステージ衣装を個人様から企業様まで幅広く製作を受注。衣装制作、洋裁のスクールも開講しています。
赤莉かえちゃんが日本を代表する写真家HASEOさんのモデルを務めた時の衣装も、モミジエリさんが制作したものを着用したそうです。
赤莉かえ:約2年前に写真家のHASEOさん作品に初めて出演しまして、その際に着用させて頂いたのが、衣装作家のモミジエリさんが制作されたドレスでした。
「魔剣」という作品を着させて頂いたのですが、樹海での撮影でしたので岩場や木の枝が沢山ある足元が悪く、素敵なドレスの繊細なチュールを痛めてしまわないかといった不安を感じた事を鮮明に覚えています。
また、この作品出演をきっかけに他作品への出演をすることにもなりました為、私にとっては非常に思い出深いドレスとなりました。
HP: https://www.momiji-lab.com
Twitter:@mmeri_13
Sudarium
3月に立ち上がったばかりの新しいブランドで、ロリータ服やアクセサリーを制作しています。
「crochet sketch(@YohkoMidori)」
「Aphorism (@aphorismoment)」、
「Artifact(@artifactsuda)」の3つの作家、シリーズから展開。
メインデザイナーのYohko Midoriさんは自らデザインからモデルまで担当しています。
・Yohko Midoriさん
「crochet sketch」デザイナー・モデル。 生き物が好きで、動植物をモチーフに作品を制作。今後はナチュラルガーリー・カントリー調のお洋服を展開予定。
・Setsuna Amayaさん
「Aphorism(アフォリズム)」デザイナー。ドール愛好家で、Sudariumの器用担当。
今後は、クラシカル系・マニッシュ系のお洋服デザインも展開予定。
Yohko Midoriさん(右)とSetsuna Amayaさん(左)
・Kimmy Chanさん(カメラマン名義はUhimaru)
「Artifact」デザイナー兼Sudariumのカメラマン。チェコビーズを使ったアクセサリーを制作しています。
今後は、ちょっとダークで大人っぽいお洋服を展開予定。
ライカ社運営の審査制フォトギャラリー「LFI. Gallery」に認定されるほどの凄腕カメラマンです。
Kimmy Chanさん(カメラマン名義はUhimaru)
同イベントでは森に住む動物や龍などの妖精の女の子をイメージしたナチュラルテイストなロリータ服が目玉でした。
こちらは中国のロリータブランドと提携し、XS〜XL、さらにそれ以上のサイズまで対応可能で、受注のあった分だけ中国の工場で製造できることが強みです。
立ち上げたばかりにもかかわらず、アイテムを切らしてお届けできない心配がないのは心強いですね。
現在は海外への渡航は厳しい状況ですが、Sudariumのモノを通して、まずは国内の都心部から地方の人々まで交流を持ち、今後はアジア圏での展開も予定しているという話でした。
Twitter: @YohkoMidori
Epetice
「Epeteice」代表取締役のマジョノカ渚さん
コスプレ占い師&占う服屋さんとして活躍するマジョノカ渚さんが代表取締役を務める、中国ロリータ服中心の世界中の素敵なお洋服を扱うセレクトショップ。
Epee(剣)とJustice(正義)の2文字を組みあわせて「Epetice(エペティス)」。中国ロリータ服を中心に世界中の素敵なお洋服たちを、心からのまっすぐな「好き」という気持ちを込めてお届けします。
初出店ながら、お店はインターネットショップのため、お洋服を実際に見てもらおうと大量の品揃えで圧巻の展示。さらに「星箱Works」のおしゃれな帽子も盛り沢山で、月灯の魔導書バッグ【Morning Glory】と合わせて目を引きました。
日本とはまた違ったデザインの多様性が見られる中国ロリータ服を見ようと、終始賑わっていたのが印象的でした。
同日は、赤莉かえちゃんがTwitterで話題になった”サイバーメイド”ワンピースセットのサンプルを特別に試着させて頂きました。ロング丈とショート丈の2パターンありますが、ロング丈はスカートのヒラみの滑らかさがとても美しかったです。
HP: https://epetice.com
Twitter: @epetice
マジョノカ渚さんのTwitter: @nagi731