OnlyOneOfが歌う「Bye-Bye ありがとうさよなら愛しい恋人よ」の声は、また次の出会いへと続くゆびきりのようにも聴こえていた。

2022年10月27日 | ミュージック

2019年5月28日に韓国デビュー。2022年5月に、日本デビューを果たした韓国のボーイズグループOnlyOneOf(オンリーワンオブ)。 彼らが、10月19日に2ndシングル『ズルい女』をリリースする。シャ乱Qが歌い大ヒットを飛ばした楽曲を、OnlyOneOfがカバー。同作品のリリースに合わせ、日本でセカンドライブツアー『OnlyOneOf 2nd Japan Live 2022』実施。ここでは、ツアー最終日となった、10月7日・Zepp Haneda公演の中から、第一部公演の模様をお伝えしたい。

大きなスクリーンへメンバー一人一人の姿が映し出されるたび、フロア中から起きる拍手。6人が舞台に姿を現したとたん、美しくも野生味覚えるその姿に興奮を覚え、フロアのあちこちで熱い声が漏れていた。その気持ち、すごくわかる。

OnlyOneOfのライブは、最新シングルの『ズルい女』からスタート。原曲以上に男の色気をたっぷりとまぶしたエレクトロ/ソウル×エモーショナルなスタイルにアレンジ、恋心を抱いた人たちのハートを一発で撃ち抜く楽曲だ。6人は、ときに身体を寄せあい、舞うように歌い踊る。妖しくも可憐なその姿に、気持ちはすでにメロメロだ。

『designer』でも、6人は大人の色気をムンッと振りまくように艶めく声で歌っていた。舞台の上で巧みに絡み合う6人の姿は、美しくも野生味を帯びた姿として瞼に焼きついた。見ている人たちの視線も心も捉えて離さない、美しき野獣のようなメンバーたち。つねに甘い歌声や表情を見せながらも、その中からは、どこか危険な香りが漂う。そのかぐわしきフェロモンに心が奪われた。

ライブ中の凛々しい雰囲気とは裏腹に、MCでは、とても親しみやすい近所のイケメンお兄さんに変貌。そのギャップも嬉しい魅力だ。ナインは、「ふたたび日本に来れて、しかもみなさんにお会い出来てとても胸キュンです」と語る。ジュンジは「『ズルい女』のMV撮影のとき、外のガラスに映った雨がとても綺麗で感動した」と、撮影中の裏話もしてくれた。

気持ちを優しく揺らす音に乗せ、OnlyOneOfは『bOss』を歌唱。物語を作り上げるように舞台の上で歌い踊るメンバーたち。メロウでエモーショナルな楽曲と6人の歌声が巧みに絡み合い、見ている人たちの視線を釘付けにする。6人とも甘い歌声なのに、そのパフォーマンスからは凛々しさや逞しさが伝わってきた。

これまでの甘い表情へ黒い香りを塗り重ねるよう、ねっとりとした深い歌声を魅力に『dOra maar』を歌うメンバーたち。愛しい人を求めるように歌う姿が視界へ飛び込むたび、その誘いに溺れたくなる。ダイナミックなアクションを通し、深い想いを見ている一人一人に投げかける。「なんだって怖くないよ 君ならば」の言葉に、ハートが射抜かれた。

こんなに美しくもダンディな香りをライブ中は振りまくのに、MCでは陽気なお兄ちゃんになるところへ、相変わらず嬉しいギャップを覚える。日本のツアー中の思い出話の中、ナインが「日本のコンビニで食べたドラ焼と丸ごとバナナが好き」と答えれば、キュビンはアニメ「ワンピース」の話をしていた。キュビンは、事あるごとに「ワンピース」の原作者である尾田栄一郎の名前を連呼。よほどの「ワンピース」好きなことが発言の端々から伝わってきた。他にも、ジュンジが「日本のビールが美味しい」と言い出せば、ナインに「生ジュンジ」と突っ込まれていた。ミルは、「日本に来たらどうしても食べたかった牛カツを食べれて嬉しかったし、本当に美味しかった」と語っていた。最後にメンバーみんなでドンキホーテのテーマ曲を歌いながら、「ドンキホーテに行きたい」とアピールをしていたことも伝えておこう。

メンバーらのアカペラから楽曲はスタート。6人の歌声へ呼ばれるように『heartbreak terminal』が流れだす。吐息交じりのメンバーたちの歌声が、優しく胸に響く。途中、ミルがラップで煽れば、他のメンバーたちも甘い歌声をリレー。ソウルフルでジャジーな表情と躍動するHIP HOPのリズムが絡み合うアップチューンに乗せ、メンバーらは観客たちの気持ちを心地よくアゲていった。

『cOy (art pOp remix)』では、一人一人が胸の内から込み上がる想いを、吐息交じりの甘い声でフロア中に響かせる。ナインが身体を大きく揺らし歌えば、ジュンジは軽快なリズムにその身を重ねるように歌っていた。スタンドマイクをギュッと握りしめ歌っていたリエの姿も印象深い。メンバーそれぞれが、メロウでエモーショナルな歌声を通し、恋しい思いを胸にしっかり響かせてくれた。その気持ちに心震えたlyOn(ファンの呼称)たちが、大きく手を振りながら思いを返していた姿も印象的だった。

『ズルい女』のレコーディングの模様を映したメイキング映像を受け、次のブロックへ。ここでは、今年に入り、メンバーらがOnlyOneOfの活動と平行し、ソロ活動も始めたことから、先に音源を発表した3人が、次々と入れ代わる形でショートステージを披露。

トップを飾ったユジョンが、レーザー飛び交う中『begin』をエモーショナルに歌唱。キュビンは、ノリ良いリズムに乗せ、みずからの気持ちを解き放つように『be free』をソウルフルに歌っていた。ジュンジは、美しくも切ないバラートの『be mine』をファルセットも巧みに折りまぜ、相手を口説くように歌唱。それぞれの個性がしっかり伝わってきたのも嬉しかった。

3人の短い歌のリレーを挟み、ふたたび6人編成に戻ったOnlyOneOfは、甘く囁くように『gaslighting』を歌い踊り、lyOnたちを甘く挑発。歌が艶めくほどに、一体化したパフォーマンスが大胆に見えていたのも印象的だ。

強烈なHIP HOPのリズムが響きだす。6人は、躍動したダンスパフォーマンスも示しながら、『sage』でもlyOnたちを挑発。一つ一つの動きが、とても雄々しい。一挙手一投足から目を離したくない。キリッとした表情と甘い誘いをかけた歌声でせまるメンバーたちの気持ちに、そのまま身を委ねたい。

次に披露したのが、日本デビューシングルになった『suit dance (Japanese ver.)』。6人は、吐息交じりのエモい歌声を魅力に、愛しい人を口説くようにせまる。スーツの裾をなびかせ歌う様や、甘い歌声なのに凛々しい表情でせまるところにも強く惹かれる。アクロバティックなダンスも魅力だ。

心の内側で滾る想いを燃やすよう、6人は心を野生に『savanna』を歌唱。気になる人のハートを射抜くように、時に口説くようにせまる彼らの歌声や仕種に、ハートはメロメロ状態。揺れ動く恋心を華麗なパフォーマンスにも映し出すメンバーたちの姿にも見惚れっぱなしだ。

『seamless mind』では6人がハイチェアに座り、言葉のひと言ひと言を語るように歌えば、曲が進むごとに気持ちを高ぶらせ、この空間に、ふたたびエモーショナルな空気を巻き起こしていった。メンバー一人一人のセリフのような歌声をじっくりと味わえたのも、この曲の嬉しいポイント。彼らは、胸に抱いた想いを告白するように「君だけを見つめてるよ」と歌っていた。その言葉に、ハートを撃ち抜かれた人たちも多かったに違いない。

『ヒドい男』でも6人はハイチェアに座り、美しいハーモニーを響かせていた。彼らは、愛おしい人へ向け「もっともっと繋いで もう嘘でもいいから触れてて」と、胸に抱いた想いを届けるように歌っていた。「君がいなくて」と、切ない恋心を零すように歌う6人の表情や仕種にも胸が打たれた。

ライブも終盤へ。この会場に熱を巻き起こすように、6人は攻めた歌声で『skinz』を歌唱。挑発するようなパフォーマンスも交え、見ている人たちを熱く刺激してゆく。時にメンバーどうしで妖しく絡み合う姿も、見ていてセクシーだ。

最後にOnlyOneOfは、『libidO』をエモく艶かしく熱唱。胸の鼓動を熱く鳴らす楽曲だ。6人の野生味を帯びた歌声やダンスが心を捉えて放さない。ユジョンとナインの絡みあう姿も含め、メンバーたちが舞台の上で妖しく交錯しあう姿も、とても印象的だった。

アンコールは、『氷と火の歌』に乗せ、クールに見えてエネルギッシュなエナジーを抱いたダンスパフォーマンスからスタート。この曲ではトラックを背景に、6人がダンスに徹してゆく。一体化しつつも巧みに絡みあうパフォーマンスを通し、6人は情熱的な物語を伝えてくれた。

最後のMCでは、キュビンが”東京”という言葉を用いてあいうえお作文を披露。リエは、「いつかユニバーサルスタジオジャパンやディズニーランドにOnlyOneOfのコーナーができることを願いたいです」と述べれば、ミルやジュンジがlyOnへの感謝の想いを熱く述べていた。

ライブも、最後のブロックへ。この会場をパーティー空間へ塗り上げるように届けたのが、『blOssOm』。希望の花が咲き誇るような、心を晴れた景色に導く楽曲だ。メンバーたちも心地好く身体を揺らし、フロア中の人たちと一緒に楽しくパーティーを繰り広げるように歌っていた。

最後の最後に、OnlyOneOfはふたたび『ズルい女』を歌唱。日本のlyOnに会いたかった想いを届けるように。こうやって会えた喜びを、また次の出会いへと繋げるように、彼らは「Bye-Bye ありがとうさよなら愛しい恋人よ」と手を大きく振りながら歌っていた。その姿に向け、フロア中のlyOnにも手を大きく振り、想いを返していた。互いに求め合った恋心が募り続ける限り、またOnlyOneOfと会える日は遠くない気がする。OnlyOneOfが歌う「Bye-Bye ありがとうさよなら愛しい恋人よ」の声は、また次の出会いへと続くゆびきりのようにも聴こえていた。

TEXT:長澤智典

セットリスト

1.ズルい女
2.designer
3.bOss
4.dOramaar
5.heartbreak terminal
6.cOy (art pOp remix)
7.begin ユジョン
8.be free キュビン
9.be mine ジュンジ
10.gaslighting
11.sage
12.suit dance (Japanese ver.)
13.savanna
14.seamless mind
15.ヒドい男
16.skinz
17.libidO

-ENCORE-
1.氷と火の歌
2.blOssOm
3.ズルい女

OnlyOneOf

韓国のボーイズグループOnlyOneOf(オンリーワンオブ)。2019年5月28日韓国デビュー。
キュビン / リエ / ユジョン / ジュンジ / ミル / ナイン の6人のメンバーで構成。
OnlyOneOfというグループ名には “唯一の存在になりたい” というメンバーの中に必ず推しが見つかるという意味が込められ、ダンススキルに定評があり男性的な色気と柔らかく繊細な魅力を持ち合わせている。

OnlyOneOf JAPAN OFFICIAL SITE:https://onlyoneofofficial.jp
Twitter:https://twitter.com/onlyoneof_jp
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCkTMO7QLYmMzDP3dGuerG8A
TikTok:https://www.tiktok.com/@onlyoneofofficial
Instagram : https://www.instagram.com/onlyoneofofficial
テイチクエンタテインメント:https://www.teichiku.co.jp/artist/onlyoneof

OnlyOneOf「ズルい女」9月7日デジタルリリース

各音楽配信サイトはこちら
https://onlyoneof.lnk.to/Zurui-Onna

OnlyOneOf「ズルい女」MusicVideo

Release info

OnlyOneOfセカンドシングル
タイトル:ズルい女
発売日:2022年10月19日(水)

商品形態

<初回限定盤A(CDS+DVD)>
¥2,500(税込)/¥2,273(税抜)

<初回限定盤B(CDS+DVD)>
¥2,500(税込)/¥2,273(税抜)

<通常盤(CDS)>
¥1,500(税込)/¥1,364(税抜)

収録楽曲

(初回限定盤A&B共通)
1.ズルい女
2.ヒドい男

(通常盤)
1.ズルい女
2.ヒドい男
3.ズルい女(instrumental)
4.ヒドい男(instrumental)

DVD収録内容

<初回限定盤A>「ズルい女」MV Behind the scene
<初回限定盤B>「ズルい女」Jacket Behind the scene

この記事を書いた人

"音楽を中心に執筆中のライター。「あなたのため」に頑張ります。 twitter @nagasawatomonor Web http://vues.jp/"

新着記事