俳優として活動するRyuji(佐藤流司)とPENICILLINのHAKUEIによるバンドプロジェクト、The Brow Beat。時代に縛られない本音のロックを鳴らす彼らが、Ryujiの誕生日である1月17日にデジタルシングル「無」をリリース! 2023年の振り返りから、今作にこめられた想いまで、たっぷり語ってもらいました。
──2023年はThe Brow Beatにとって、デビュー5周年イヤーだったかと思いますが、どんな年でしたか。
Ryuji 例年通りに曲を出してライブができたので、安定した1年だったかな。もともと誕生日やクリスマスといったイベントを節目とするのが好きじゃないので、5周年についても特に何も考えずにいた気がします。5周年だからといって急にパフォーマンスのクオリティがあがるわけでもないし、5周年だからといって気合をいれるのも「他の年はなんだったんだ」ってなるし。やっぱり普通がいいですよね。5周年じゃなくても、今までよりいいライブにしたいと思っていますし、ドンドンいいものを生み出していきたいと思ってますから。
──昨年は2022年を更新した年になりましたか。
Ryuji そうですね。徐々にパフォーマンス力が身につけられている気はしますし、曲のクオリティもどんどん上がってきてる。前回の『ラブレター』も今までとは違う人たちと協力して、The Brow Beatらしさを残しつつ、テイストの違う作品を生み出すことができました。日々、成長している気はします。音楽って、あまりクオリティを下げようがないというか……。1回得た知識をなくすことはないので、ダメに向かうことはないように思うんですけど、どうなんでしょうね。
──ダメにならずとも「進んでいない」と感じるアーティストさんは、少なからずいるような気がします。
Ryuji 確かに、それはあるかもしれませんね。客観的にはどんどん変わっているように見えても、主観だと全然変わっていないように感じることもありますし。まさに今、俺が考えているのもそれなので。今後どうなっていくんだろうとか、どうしていきたいかなって考えたときに、パッと出てこなかったから、今作のタイトルを『無』にしたんです。そう考えると、自分の思いみたいなところでは、5周年は停滞していたのかもしれないですね。
──主に何が停滞していたように感じますか。
Ryuji ざっくりいうと向上心。「次にあれがしたい」とか「こんな曲を歌いたい」とか「ツアーでこういうことをしたい」といった目標がパッと出てこないんですよ。いい意味でも悪い意味でも安定してるというか。今まで俺を応援してくださっているお客様に助けられ、ツアーができる状態がずっと続いているなかで、次のステージがなかなか思いつかないんですよね。
──それは、憧れだった2000人キャパでの会場でライブを成功させ、日比谷野外音楽堂の公演もソールドアウトさせ、数々の目標を達成したからこそ宙ぶらりんになっているというか。
Ryuji そうですね。今は自分自身も「The Brow Beatだったら何ができるか」と訊かれたら、わかんねえなって感じになってて。これまでだったら、The Brow Beatならではのやりたいことが毎年出ていたんですけど『The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”』が終わったぐらいから、パッと出てこなくなっちゃって。バンドメンバーもどことなく落ち着いた雰囲気がありましたし、ひと段落ついちゃった気がしています。そういった意味で5周年は、節目の年になったのかもしれないですね。
──正直なところ、ふわっとしたまま活動を続けていくことも可能だと思うんです。でも、Ryujiさんとしては「活動をしていくなら明確な目標があったほうがいい」という想いが強いということですよね。
Ryuji やりたいことが明確になっていないのに音楽をすることは、観に来てくださるかたにすごく失礼な気がしていて。こういうコンセプトで、こういう曲がやりたいから、それを曲にしますってならないと。自分が「うーん」と思っているものを出したって、誰の助けにもならないし、何の意味もない。音楽って変に「頑張って」って励まされるより、頑張れるパワーをくれるものだから。適当なことをやっちゃうと逆に誰かを傷つけかねないですしね。ちゃんとやりたいことを音楽に表現するのが、偽物じゃないアーティストのやり方だと俺は思います。
──なるほど。
Ryuji 演じる役柄に応じて別の人格を作り上げる役者という仕事に対するために、音楽活動をしているので。The Brow Beatでも嘘をついちゃうとやっていることが役者と混じるから、本当のことだけを歌っていきたいんです。
──本当のことだけを歌い続けるって、常に自分を削り続けるようなイメージがあるのですが、しんどくないんですか。
Ryuji 俺は嘘を歌うほうがしんどいですね。SNSに自分がどれだけしんどかったか書く人っているじゃないですか。感覚的にはあれと同じなんですよ。音楽にしたほうが、歌詞に書いたほうが楽になる。歌うことは「今しんどいんだよね。話聞いて」にも近いっていうか。飲み会へ行って愚痴っているのと一緒なんです。それがちょっとたくさんの人に聴いてもらえたり、たまにすごく共感してもらえたりしているだけな気がしますね。
──つまりRyujiさんは、「共感してほしい」と思って制作しているわけではないと。
Ryuji 俺の感性を押し付けて、それでも受け入れてもらえたらいいなって思ってます。誰かに受け入れられる曲を作りたいんだったら、プレイヤーじゃなくて作家になったほうがいいんじゃないかな。俺はダサくなりたくないっていうか。ピカソとかゴッホレベルのアーティストでいたいんです。ただ彼らと違うのは、俺は事務所にも所属しているし、予算も出してもらっているということ。ワガママだけでは生きていけないので、半々くらいで折り合いをつけるようにしてます。
──先ほどのお話からすると、今作はかなり複雑な心境のなかリリースされたようですが、最初からテーマは“無”にすると決めていたんですか。
Ryuji 「何もないってことを歌いたい」というのは決まっていましたね。自分を応援してくださるかたに「今の俺は何もないんだ」って伝えるべきだと思ったというか。適当に書こうと思えばできるんでしょうけど、それは嫌だったので。もともとは『無題』というタイトルで、最終的に『無』になりました。
──トラックのリファレンスなどはありましたか。
Ryuji THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「世界の終わり」です。HAKUEIさんに「こういう曲にしたい」とお伝えして、イメージに沿った曲をtasuoさんと一緒に作っていただきました。直近でリリースした「ラブレター」と「銃声」が聴きやすい今風な曲だったので、明るい曲はもういいだろうということで暗い曲を。その時の心情的にも暗いテイストがよかったですしね。
──サウンド面で流行りは意識しますか。
Ryuji 流行り廃りは、正直どうでもいいっていうか。めちゃくちゃメジャーな今風の曲を出したって、埋もれていってしまうので。俺らはロックバンドだから、The Brow Beatらしいロックをやっていきたいなって思っています。
──今作の歌詞は、どのように出来上がっていったんですか。
Ryuji どこまでも“無”に寄せるために、存在しない言葉を書きたいと思って。語感のいい、この世にない言葉を考えて、サビ頭の“トゥルリリ・トゥルリバ”が出来たのが最初ですね。次はAメロ頭の“売るくらいに苦労なら買ってきた”のパート。「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉があまり好きじゃなかったので、それをもじって作っていきました。名言って、ただの美談というか。売るほど苦労してきたけど何もなってないし、もっと楽して俺より売れているやつもいる。苦労が成果にあまり比例しなかったという想いをこめています。
──苦労が成果に比例しなかったというのは、The Brow Beatの活動に関してですか。
Ryuji 役者として、ですね。逆にThe Brow Beatは、そんなに苦労せずここまで来られている気がしていて。役者の頃から応援してくださっている方がいる分、HAKUEIさんと俳優の頃に出会っている分、大変な時期は飛ばせているので。
──“言葉も徐々に溺れる”という歌詞も印象的ですよね。
Ryuji 今思っていることを書いてみました。なおかつ、言葉が溺れていく様子を表現するために、2番からは歌詞がだんだん聞こえなくなっていくようにしているんです。とはいえ、同じ歌詞を2回繰り返して歌っているので、2番以降は聴かなくてもいいよっていう作りになっていて。最近のZ世代と呼ばれる方たちって、1曲を通して聴くことすら苦痛らしいので、その風刺も兼ねています。前衛的というか。あまり普段やらないようなことをやりたかったんですよね。結果的に“このマンネリに花束を”とか言っちゃってるし、そういう意味では書きたいものを書けた気もします。
──今作のリリックビデオも公開されましたね。
Ryuji 実は、まだ曲もあがっていないし、歌詞もできていない段階で撮ったんですよ。だから、それっぽい顔をしているだけなんですけど、よくここまでしっかりしたものを作っていただけたなと思っています。すごいですよね。めっちゃかっこよく出来上がっていて、びっくりしました。
──一方で「The Brow Beat 小学校校歌」は、すごくコミカルな1曲に仕上がっていますよね。
Ryuji そういえば録りましたね。その場で歌詞をザーッと書いて。今では一文字も歌詞を覚えてないですけど(笑)。
──フリースタイルではないんですね。
Ryuji さすがに違いますね(笑)。1回は考えています。HAKUEIさんが、なんで自転車にこんなに執着しているかというと、ちゃんとしたチャリンコをパクられまして(笑)。つまり、HAKUEIさんもリアルを歌っているんです。
──これは、中学校や高校にも校歌が広がっていきますか。
Ryuji 「The Brow Beat 学園校歌」が高校なので、もういいかな(笑)。ファンのなかでも、飽きてる方がいると思うし。これで、シリーズ完結ですね。ちょっと新しいのを考えます。
──5月からは『The Brow Beat Live Tour 2024』も始まりますが、こちらの内容は決まってきているんですか。
Ryuji 全くですね(笑)。たしかにそろそろ決めないとな……。ツアーになると毎回、俺が途中で飽きちゃって、曲順をどんどん変えていっちゃうんですけど、今回はどうしようかな。いつも曲順はHAKUEIさんが考えてくださるので、まずは1回お任せしてみてですね。
──Ryujiさんとしては、どういうライブにしたいですか。
Ryuji 前回の『The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”』が5周年では、1stアルバム『ラグナロク』から、2ndアルバム『Hameln』、3rdアルバム『Adam』と続けて、The Brow Beatの歴史をなぞるスタイルにしたので、今回は気持ちのいいライブをやりたいなって思います。あまり考えることなくというか、好きな曲を好きなだけやる感じにできたらいいな。
The Brow Beat
俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として、結成したバンドプロジェクト。
ヘヴィ、オルタナティブで骨太なサウンドから軽快なロックまで、多種多様なRyujiの世界【The Brow Beat】を、PENICILLINのHAKUEIがトータルプロデュースする。
Official Site:https://thebrowbeat.jp/
Twitter:https://twitter.com/The_Brow_Beat
YouTube:The Brow Beat Official YouTube Channel
【LIVE】The Brow Beat Live Tour 2024
5月09日(木)[大阪] 大阪BIGCAT
5月10日(金)[愛知] 名古屋ReNY limited
5月12日(日) [東京] Zepp Shinjuku (TOKYO)
5月13日(月)[東京] Zepp Shinjuku (TOKYO)
※詳細は後日解禁!
The Brow Beat “The Five Senses” LIVE DVD 発売決定!!
The Brow Beat Live Tour 2023
“The Five Senses”
2023年6月3日(土) & 4日(日)
LINE CUBE SHIBUYA
2024年4月1日
2公演 2枚組 LIVE DVD
価格:¥11,000(税込) + 送料別途
品番:H3-0005
発売元:H3
◆The Brow Beat オフィシャルストア
https://thebrowbeat.jp
【受付期間】
2月5日(月)18時〜2月19日(月)23時59分
【到着予定日】
4月1日(月)
*地域によっては前後する場合がございます。ご了承ください。
The Brow Beat Live Tour 2023 “The Five Senses”
◆2023.6.3 LINE CUBE SHIBUYA
[Day. 1]DISC 1
01. アイリス
02. ジセイノク
03. パラノイド・スター
04. 光のアルペジオ
05. OVER
06. ドミノ
07. Adam
08. L.R
09. 火炎
10. 沙羅羅羅
11. 404
12. 離人
13. シンデレラ
14. ハレヴタイ
-ENCORE 1-
01. Oblivion(Acoustic Ver.)
02. 睡蓮(Acoustic Ver.)
03. ラブレター
04. Snow White
-ENCORE 2-
01. ROCKET DIVE
02. サザンクロス
◆2023.6.4 LINE CUBE SHIBUYA
[Day. 2]DISC 2
01. 日本
02. ジセイノク
03. メビウス
04. OVER
05. Hide and Seek
06. 灯篭流し
07. CLOWN
08. Snow White
09. ヤタガラスの影踏み
10. BLACK SHEEP
11. 404
12. 銃声
13. 爆風
14. ネモフィラ
-ENCORE 1-
01. 紡ぐ
02. 21グラム
03. ラブレター
04. Browbeat
-ENCORE 2-
01. Black & Black
02. な訳ねぇだろ
03. アイリス
01. アイリス
02. ジセイノク
03. パラノイド・スター
04. 光のアルペジオ
05. OVER
06. ドミノ
07. Adam
08. L.R
09. 火炎
10. 沙羅羅羅
11. 404
12. 離人
13. シンデレラ
14. ハレヴタイ
-ENCORE 1-
01. Oblivion(Acoustic Ver.)
02. 睡蓮(Acoustic Ver.)
03. ラブレター
04. Snow White
-ENCORE 2-
01. ROCKET DIVE
02. サザンクロス
◆2023.6.4 LINE CUBE SHIBUYA
[Day. 2]DISC 2
01. 日本
02. ジセイノク
03. メビウス
04. OVER
05. Hide and Seek
06. 灯篭流し
07. CLOWN
08. Snow White
09. ヤタガラスの影踏み
10. BLACK SHEEP
11. 404
12. 銃声
13. 爆風
14. ネモフィラ
-ENCORE 1-
01. 紡ぐ
02. 21グラム
03. ラブレター
04. Browbeat
-ENCORE 2-
01. Black & Black
02. な訳ねぇだろ
03. アイリス
アニメオープニング主題歌
◆24年4月 TOKYO MX、MBS、BS朝日にて放送開始!!
『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』オープニングテーマ曲に、The Brow Beat「ワカラナイアイ」が決定!
◆公式サイト
madome-anime.com
◆アニメ公式 X【旧Twitter】
@madome_PR
Ⓒ手島史詞・ホビージャパン/まどめ製作委員会
音源
◆2024年1月17日(水)配信リリース!!
The Brow Beatデジタルシングル「無」
↓↓
https://lnk.to/TBB_mu
Official Music Video Full Ver. 公開!!
↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=cY_YlRZfbac
◆The Brow Beat Official Site
https://thebrowbeat.jp
◆The Brow Beat Official Twitter
https://twitter.com/the_brow_beat
◆The Brow Beat Official Youtube Channel
https://www.youtube.com/@thebrowbeat
◆The Brow Beat Official TikTok
https://www.tiktok.com/@thebrowbeat_official