【畠中祐インタビュー】じつは強がっているだけで、心では迷い、葛藤してゆくように、まさに等身大の僕らと同じ視点で戦っているヒーロー、それが「ウルトラマンZ」。

2020年11月25日 | インタビュー
長澤智典
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 TVアニメ「憂国のモリアーティ」のオープニング主題歌「DYING WISH」を収録した5thシングルを10月28日に発売。11月25日には、みずからウルトラマンゼットの声を担当している特撮ドラマ「ウルトラマンZ」のエンディングテーマ「Promise for the future」を含む6thシングルをリリース。2ヶ月連続でシングル盤を発売する声優の畠中 祐をつかまえ、楽曲話を中心にインタヴューを行なった。ここでは、特撮ドラマ「ウルトラマンZ」のエンディングテーマ「Promise for the future」の話を中心に、6thシングルの聞きどころについて語っていただいた。

「ウルトラマンZ」は”未熟者”というのが大前提にある。


──11月25日にリリースになる「Promise for the future」は、特撮ドラマ「ウルトラマンZ」のエンディングテーマ。祐さんも、ウルトラマンゼットの声を担当しています。

畠中祐 「憂国のモリアーティ」の主題歌「DYING WISH」とは打って変わって(#1を参照)、「Promise for the future」は「ウルトラマンZ」の世界へ寄り添った、とてもらしい楽曲に仕上がりました。

──祐さんは、小さい頃からウルトラシリーズが大好きだったとお聞きしています。

畠中祐 大好きどころか、「みんな、ウルトラマンを見て育ってきたんじゃないの??」と言いたくなるくらい、僕は小さい頃からウルトラシリーズを見ながら育ってきました。
僕は1994年生まれなので、最初の体験が「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンガイア」と続くシリーズ。そこから「初代ウルトラマン」や「ウルトラセブン」に遡りました。けっして、全シリーズ全話を観たわけではないけど。それでも、過去のシリーズも含め、ウルトラシリーズはいろいろ見てきました。

──そんな中、「ウルトラマンZ」は、これまでのウルトラシリーズとは少し異なる要素を持った作品になっていません?

畠中祐 そうなんです。ウルトラシリーズと言えば、ときに負けそうになったり、実際に負けたりもしましたけど。ヒーローは絶対的な強さを持っているのが前提だったじゃないですか。だけど「ウルトラマンZ」は”未熟者”というのが大前提にある。正義のヒーローとして星を守りきれる力を持っているのか、どうなのか。それを認めきれてない状態のまま地球に降り立ってしまう。つまり、まだ一人立ちしきれてない。だからこそ、誰かの力を借りて戦うしかなかったし、それが戦ううえで大前提となっているウルトラマンなんです。

──そこが、これまでのウルトラシリーズには無い視点ですよね。

畠中祐 むしろ、そこが「ウルトラマンZ」の大きなテーマ。つまり、「誰かと誰かによって生まれた力で、何かを乗り越えてゆく」。その繋がりや絆が、「ウルトラマンZ」全体のテーマになっていると僕は捉えています。

──そのテーマは、今の時代に必要なことだと思います。

畠中祐 そうなんですよね。まさに「ウルトラマンZ」は、イマドキのウルトラマン。今の時代に寄り添ったウルトラマンなんだと思います。ウルトラマンゼットは、地球防衛軍の「ストレイジ」という部隊に所属するナツカワハルキと共に戦うんですけど。戦う際にハルキは、ウルトラマンゼットの意識の中にあるインナースペースと呼ばれる空間に存在しているんですね。そんなハルキに対してウルトラマンゼットが「この怪獣、どうやって倒せばいい?」と聞くんですよ。聞かれたハルキも経験の浅い新人隊員だから「いやぁ、わかりません」と答えるように、2人とも戦い方がわからないまま、それでも戦い続ける。
これまでのウルトラシリーズのように、負けない象徴であったはずのウルトラマンではなく、ウルトラマンゼットは強そうに見せてるけど、じつは強がっているだけで、心では迷い、葛藤してゆくように、まさに等身大の僕らと同じ視点で戦っているヒーロー。正しい答えがわからないまま戦う様も含め、そんな新人のウルトラマンを描いてゆくのが「ウルトラマンZ」なんです。

アニメや特撮の主人公たちは、「出来ない」と言いながらも、やったら出来てしまうじゃないですか。でも、ウルトラマンゼットもハルキも本当に出来ないんですよ。

──ウルトラマンゼットは、絶対的な強さを持っているのではなく、迷い葛藤してゆく未熟さがある。でも、そんなウルトラマンの姿こそ、今の自分たちの気持ちに重ねやすい存在だと受け止めてしまいます。

畠中祐 悩んだり立ち止まったときは、誰かに話を聞いてみる。けっして一人で苦悩を抱え込むのではなく、「一緒に悩みながら解決していこう」という姿には、確かに身近さを覚えますからね。これまでのウルトラシリーズが「勇気を出して乗り越えてゆけ」がテーマだとしたら、「ウルトラマンZ」は、そこへ「一緒に」という言葉が加わる。そこが、またいいじゃないですか。

──そういうウルトラマンを演じるときの心境も気になります。

畠中祐 僕はとても演じやすいです。僕自身もこの業界では若手で未熟者だし、まだまだ学ばねばいけないことが多い。僕自身も、ときには格好つけたいし、強がってしまうこともある。まさに、ウルトラマンゼットと立場も情況もすごく重なるからこそ、演じやすいし、演じがいがあるんだと思います。
あと、主人公のハルキくんにも共鳴しています。彼はすごく真っ直ぐな性格で、何事にも真正面からぶつかっていくんだけど、ぜんぜん出来ないことも多い。勇気はあるけど、ちょっとへなちょこな人って応援したくなるじゃないですか。彼も、観ていてすごく共感の出来る存在です。

──何時からなんでしょうね、ヒーローや主人公が弱さを抱えながらも成長してゆく物語を描くようになったのは。

畠中祐 確かにそういう作品は多いですよね。それでもアニメや特撮の主人公たちは、「出来ない」と言いながらも、やったら出来てしまうじゃないですか。でも、ウルトラマンZもハルキも本当に出来ないんですよ。それでも、熱血さでぶつかり続けてゆく。すごく泥臭いんですけど、そこがむしろ気持ちをスカッとさせてゆく主人公たちだなと思えますからね。
それと、ウルトラマンゼットとハルキの関係性の面白さが、「熱と熱のバディ」であること。普通だったら、もの凄く熱血な主人公がいて、そのバディとなる相手は、バランスを保つためクールな存在であることが多いけど。ウルトラマンゼットもハルキも、同じ熱血タイプ。だから、乗り越えられるものも何時まで経っても乗り越えられなかったりするんです。それでも、最終的には熱量で超えてゆくように力技で押し切ってしまう。その様は、観ていて本当にすっきりするというか、「何を小っちゃなことで悩んでいるんだろう」と思わせてくれる二人なんですよね。

1曲は、むちゃくちゃロックな楽曲で、もう1曲は、むちゃくちゃパラパラなダンス曲です(笑)。

──C/Wには、「Promise for the future」とはまったく異なる表情を投影していますよね。

畠中祐 1曲は、むちゃくちゃロックな楽曲で、もう1曲は、むちゃくちゃパラパラなダンス曲です(笑)。先に、「真冬HEAT」から話をしますが、これは冬を舞台にしたクリスマスソング。僕は過去に「真夏BEAT」という、夏を舞台にした派手なダンスミュージックを出していますけど。それに対抗するように、タイトルが「真冬HEAT」ですからね。しかも、むちゃくちゃふざけた楽曲になっています。(笑)サウンドだけを聞いたら、「イニシャルD」で流れていても不思議じゃないくらいの格好良さなんです。「真冬HEAT」は、サンタコスチュームで会いに行った男の歌なんですけど。あえて言葉を選ばずに言うなら、「ダサい」です(笑)。でも、 サウンドは聞いたらみんなノリノリになれるように、バカ騒ぎするにはピッタリの楽曲。ぜひ、ライブで歌いたい曲です。
同じくロックしている「アルゴリズム」も、ライブで歌いたい曲ですけど。こちらは、とにかく暑苦しいロックナンバーです。「真冬HEAT」も「アルゴリズム」も、暑苦しさのベクトルは一緒。「Promise for the future」も熱いとはといえ、まだスマートな熱血さ。C/Wの2曲は、それを遥かに超える暑苦しさですから(笑)。

──でも、そこが魅力ですよね。

畠中祐 そう(笑)。ぜひ、「Promise for the future」を手にし、そのお祭り感を存分に楽しんでください!!

僕、地雷メイクの女性、可愛いなって思います。

──話題はガラッと変わり、祐さんのファッション感をいろいろお聞きしたいなと思っています。

畠中祐 じつは僕、地雷メイクの女性すごく可愛いなってと思います。病みかわ系って言うんですか?ああいうファッションの子方も好きですし、一度着てみたいなという願望もあります。

──祐さん自身、普段は病みかわ系とは無縁ですよね。

畠中祐 服に関して僕は、できるだけシンプルさを心がけています。以前は、攻めたファッションも好きだったけど。攻めたスタイルって、一度着て披露したら、着回しが難しいぶん、「また着てる」となってしまうじゃないですか。たとえむちゃくちゃ格好いいなと思う服でも、攻めたファッションだと、どうしても服が主役になる。その服を雑誌で何度か着たり、イベントなどで身につけ、その姿をファンの人たちが撮影してSNS上にアップされてしまうと、「また同じ服だよ」と言われてしまう。もちろん、イベント事など舞台に立つときは、その場に似合う形で攻めた服も着ますけど。普段は似たような服をいくつも購入しては、それを上手く着回してゆく形を取っています。
それこそ同じ黒のジャケットやパンツでも、ちょっとデザインの違うジャケットやパンツをいくつも持っています。インナーとして切る服にしても、似たようなデザインでも、色を変えるだけで違いが見えるように着回ししやすくなる。だから今は、極力シンプルな服たちを揃え、それを上手く着回ししています。

──以前は、祐さんも攻めた服を着ていたんですね。

畠中祐 それこそ中学生の頃は、攻めたファッションが好きでしたね。ムチャクチャ派手な柄のビッグTシャツを着て、そこへ独特なベストを重ねて着たり。だけど高校生になり、「遊☆戯☆王ZEXAL」で九十九遊馬役を演じることが決まり、その時期にいろんな雑誌に出させていただいたんですけど。そのときに着ていたのが攻めた服だったことから、先のような捉え方をされるようになった。その経験もあれば、事務所の方からも「上手く着回し出来る服があればいいと思う」とアドバイスをいただけたことから、その経験以来、シンプルな服装を心がけるようになり、今に至っています。
ただ、HARAJUKU POPの中に映っている写真を見てたら、やっぱり「この病みかわ系の服を着たいな」「ユニセックスな服だったら、僕も着れるかな」と憧れを持って見てしまいますよね。

──先ほども言ってましたが、イベントなどへ登壇するときの服は、ある程度攻めてもいくのでしょうか?

畠中祐 そこは、イベントの内容に合わせてと言ったほうが正しいと思います。いわゆるアーティストとしてCD作品に携わるときは、ジャケットのアートや、僕のヘアスタイルやファッションも含め、トータルコーディネイトで作品の世界観を作るように、スタイリストさんが衣装を用意してくれます。でも、声優業から派生した場合、主軸が声の仕事のように、イベントや雑誌の撮影も、先方が用意する場合でない限りは、基本的にみんな自前です。僕に関しては、そのときのテーマに合わせ、シンプルな中にもワンポイント目立つ要素を入れることも心がけています。

──今度、その辺も気をつけてチェックします。

畠中祐 ファンのみなさんも、けっこう細かいところまでチェックしてくださるように、そのぶん僕自身も気合いが入りますからね。ぜひ、同じようなデザインに見せかけて、「このラインは違ってる」など、その違いまで探るように楽しんでください。僕自身も、そういうことを意識するようになって、服を着るのが好きになりましたからね。

──そうやって自己プロデュース能力に磨きをかけているんですね。

畠中祐 プロデュースしようと思ってそうしているのではなく、好きな人たちに輝いている自分を見てもらいたいからこそ、自然にそうなっていくんだと思います。僕に限らず、そういう声優さんたちが多いからこそ、みなさんも好きな声優さんの細かいこだわりなども気にしながら見てください。

TEXT:長澤智典

5th「DYING WISH」インタビューもチェック!


▶︎【畠中祐インタビュー】「憂国のモリアーティ」の内容をつかめばつかむほど歌詞に込めた意味が紐解かれるように、「DYING WISH」は聞き込むほどに楽しんでもらえる歌。

6thシングル「Promise for the future」

2ヶ月連続タイアップシングルとなる6thシングルはウルトラマンゼット役で声優としても出演中の特撮ドラマ『ウルトラマンZ』後期エンディングテーマ!
熱い、未来への楽曲に是非ご期待ください!

畠中 祐
特撮ドラマ『ウルトラマンZ』後期エンディングテーマ
6thシングル「Promise for the future」
2020年11月25日(水)発売

[INDEX]
■CD
1:Promise for the future
作曲:渡辺徹 編曲:ats-,清水武仁&渡辺徹 (Blue Bird’s Nest)
2:アルゴリズム
作詞:Cocoro. 作曲:BOUNCEBACK 編曲:清水武仁
3:真冬HEAT
作詞:小松レナ 作曲・編曲:渡辺 徹
4:Promise for the future (Instrumental)
5:アルゴリズム (Instrumental)
6:真冬HEAT (Instrumental)


【初回限定盤】2,300円+税 / LACM-34072 / CD+BD
※BD同梱:リード曲のMusic Clip、メイキングを収録


【通常盤】1,300円+税 / LACM-24072 / CD
※キービジュアル使用長帯仕様

「ウルトラマンZ」Web
https://m-78.jp/z/

畠中祐プロフィール


1994年生まれ。2006年に映画『ナルニア国物語』の一般公募オーデイションに合格し、
エドマンド・ペベンシー役の吹替えで声優デビュー。その後、多数の吹き替え・アニメ作品に出演中。
キャラクターソング等での歌唱力の高さに定評があり、
2017年7月に1stシングル「STAND UP」で、ランティスよりアーティストデビュー。
2018年には2ndシングル「真夏BEAT」をリリースし、2019年3月27日には1stアルバム「FIGHTER」をリリース。
さらに、7月27日には豊洲PITにて「TASUKU HATANAKA 1st LIVE -FIGHTER-」を開催。

畠中祐Twitter@tasuku_kenpro
Lantishttps://www.lantis.jp/artist/hatanakatasuku/
賢プロダクションhttp://www.kenproduction.co.jp/talent/member.php?mem=m78
YouTube畠中 祐 Official Channel

この記事を書いた人

長澤智典
音楽を中心に執筆中のライター。「あなたのため」に頑張ります。 twitter @nagasawatomonor Web http://vues.jp/

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