Kradness、4年半ぶりのアルバム「Memento」を発表。儚くも力強く語られる、「生」と「死」にまつわるメッセージ。

2021年02月18日 | インタビュー
叶岡 怜
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ネットシーン発のボーカリスト・作詞作曲家Kradnessが、4年半ぶりのオリジナルアルバム「Memento」を発表。
全曲Kradnessさん自らが作詞作曲を行い、編曲まで手がけたという意欲作で、「死生観」をテーマに作り上げたメッセージ性の強いアルバムとなっています。

儚くも力強い歌声で語る、「生き方」や「人生」について。その重み。
強いメッセージを優しく包み込んで届けてくれる、都会的で透明感のある音作り。
移り変わりゆく綺麗な情景が自然と思い浮かんで、まるで一日中観ていたくなる良質な映画のような印象を受けます。

そんなアルバム「Memento」の楽曲を通じながら、アーティストとして10年間活動してきたKradnessさんの募る想いを語っていただきました。
是非1曲1曲の解説を読みながら、アルバムを通して聴いてみてください。

生きること、それは、死を絶えず見つめること。

──Kradnessさんには、以前「原宿POP」の前身である「原宿POPUNITED」マガジンにご出演いただきました!
それ以来なので、3年ぶりくらいでしょうか?

Kradness はい!お久しぶりですね!
Quarksのアルバム「Mira」や、「耽溺ミラアジュイズム」が発表されたころだから、もう3年前なんですね。懐かしいです。
またこういった機会をいただけて嬉しいです。

──今回発表された「Memento」は、Kradnessさんとしては4年ぶりのオリジナルアルバムとのこと。
さまざまな想いがあるかと思いますが、制作もかなり時間をかけて作られたのでしょうか?

Kradness 昨年の6月〜12月中旬くらいまで、半年ほど時間をかけて制作しました。
2020年はKradness活動10周年という節目の年で、そういったタイミングの意味合いもあったのですが、ちょうどコロナ真っ只中になってしまって。
ライブをすることが叶わなかった分、制作にはいつも以上に打ち込んだと思います。
まさにコロナ禍に、引きこもりながらも、魂を込めて地道に作りあげた作品です。

──作詞作曲も全て手掛けられたんですよね。
これからのKradnessさんは、作詞作曲面にも重きを置いて活動されていくと捉えて良いのでしょうか?

Kradness そうですね、4年前にアルバム「MIND HACK」を出させていただいた頃から、今後の展望としては考えていました。
次のアルバムはソロとして5枚目になるから、作詞作曲家としてのキャリアも積んで、全曲自分で手掛けた作品を届けていきたいな…と。
ですが自分としては、まだまだ作詞・作曲・編曲の勉強不足だと感じている部分もあったので、「MIND HACK」から4年間、様々な音楽を聴いてインプットを重ねてきました。
「そろそろアウトプットの時期かな?」と思っていたところで、CD担当のスタッフさんからも「そろそろアルバム出さない?」とお声かけをいただきまして。全曲作りたい気持ちをぶつけるなら今だ!と、良い形でタイミングが重なりました。
もちろん今後も、作詞作曲には力をいれていきたいですし、「歌も歌えるし、曲も作れる」シンガーソングライターとしての一面も見せていきたいと思っています。

──「生きること、それは、死を絶えず見つめること――」
「Memento」のキャッチコピーにもなっている、印象的なフレーズです。
アルバム全体を通して聴いても、かなりメッセージ性の強い楽曲が並んでいます。
どのような想いで作ったのか、是非お聞かせください。

Kradness まずは「Memento」というアルバムタイトルから解説させていただければと思います。
「Memento」には二つの意味を込めています。

一つは、「メメント・モリ」から取っている「Memento」。
ラテン語で、「メメント・モリ(memento mori)」というワードがあります。
直訳すると「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」「死を忘れることなかれ」という、背筋を伸ばしてくれるようなことわざです。
僕、昔からこの「メメント・モリ」という言葉が大好きなんですが、昨年はこの意味を実感させられる出来事がありました。

幸いなことに、今まで身内や親族が亡くなる経験をしたことがなく、「死」に対してどこか遠巻きで、自分とは縁のないことのように捉えていた節があったんです。
そんな中、コロナという今まで当たり前だった生活ができなくなる環境に、全人類が身を置かれて。
そして身内ごとになりますが、昨年11月に、94歳だった祖母が亡くなったんです。

ちょうど自分自身も、アルバム制作の佳境だったこと。
そしてコロナ禍において、お年寄りが多い母の実家の地域に帰ることは難しいということ。
家族とも相談を重ねていたんですが、さまざまな要因から結果的に祖母のお葬式に顔を出すことができませんでした。

ただでさえ誰もが「生」や「死」を意識するご時世に祖母の死が重なり、その中で得られた自分の中にある「死生観」を表現したいと思うようになりました。
アルバム制作に入る前、10周年という節目を迎えて、「今後Kradnessはどう活動していこう?」とは考えていたんですが、この出来事があってから「いつか死を迎えるときにKradnessはどうありたい?」とゴールも意識するようになりましたね。

僕自身、あまり自分が死ぬことなんて意識したことがなかったんですが、改めて「いつか死がくることを忘れるな」という自分への戒めを込めて。
そして、僕のことを知ってくれている方にも、訴えかけるような内容にしたかったんです。

──実際に身近な死に触れて出てきた、Kradnessさんの生身の言葉…身の引き締まる思いです。
「Memento」のもう一つの意味についても、教えてもらえますか?

Kradness 「メメント・モリ」というフレーズだと「死を思え」となりますが、「メメント」という言葉そのものは「記憶」「思い出」「忘れない」という意味合いです。
Kradnessが10年活動してきたこと、そして作詞作曲にトライしている今の活動も含めて、生きた証をここに刻む。
だから、僕を知ってくれた方の記憶に残るものになってほしい、忘れないでほしい。
そんな意味合いも込めています。

──まさに、「死」に触れては「生」を描く、「人生」を表現した一枚となっているのがわかります。
テーマだけ聞くとかなり重い作品のように感じますが、実際に曲を聴いてみると、とても綺麗で聴きやすいといいますか、移り変わる景色のように自然とそこにある温かさを感じます。

Kradness 毎日誰かが生まれて、誰かが死んで。
コロナ禍という、生と死をいつも以上に意識してしまうようなそんな世の中で届けるメッセージ。
でも、音楽として届けるからには、あまり重苦しすぎたり、ずーんと落ち込んでしまうものにはしたくなくて。

明るい曲も混ぜたり、強いメッセージも重苦しくならないように意識しながらも、「当たり前に死は身近にあるんだよ」ということが伝えられたらという気持ちで制作しました。
アルバム全曲を通じて、自分の中でひとつの答えとして辿り着いた「死生観」の色が出るように。
でも全てが似通った曲にはならないようにと、バランスも配分して考えています。
制作時にはいろいろな映像や景色を浮かべながら作ったので、聴いてくださっている方にもそういった情景が浮かんでくれているなら、とても嬉しいですね!

世の中のことわりを節々で感じてもらえたら。

──ここからは、一曲ずつ解説をお願いできればと思います!
まずは1曲目、表題曲となる「Diorama」。昨年11月に先行配信されていました。

Kradness 「Diorama」は、人生を限りなく俯瞰的に見たら?というテーマで作った楽曲です。
10代〜20代前半の頃は、自分の主観だけで物事を見ることが多かったんですが、歳を重ねるにつれて、多くの人と関わりながら生きていく中で、物事を俯瞰的に見ることも大事だなと思うようになりました。
友達や家族とたまにはぶつかりあってでも意見を共有したり、議論を交わし合ったり、人との付き合いって様々な駆け引きの繰り返し。
主観が失われて自分の意見がなくなってしまうのは良くないけれど、広い視野で捉えることも大切ですよね。
そういった視点で自分の人生を捉えたら、とても小さな箱庭、ジオラマ模型みたいだなと思ったんです。

──なるほど!MVの映像も、時間経過と共に自分のいる場所が移り変わっていく様子を、俯瞰的に捉えたものになっていましたよね。

Kradness そうですね、ゲームみたいに、自分というキャラクターを外から見ているようなイメージです。
70億人の人口がいる中で、自分ひとりの人生を考えたら、本当にちっぽけで微々たるもの。
僕ら人間の存在だって、”もしかしたら僕らより高次元の存在にプログラミングされたものなのでは?”なんて考えるときもあります。
そういった大きなスケールで捉えたら、自分の人生の意味はなんだろう?と思ってしまいますが、「人生」というのは、そもそもそういうもの。「死」も当たり前に誰にでも訪れることで、「人生」の重さは、限りなく俯瞰で見てしまえば、みんな同じ。
だからこそ、生きているからには、その人生に自分自身で意味を持たせたい、という意味合いが込められています。

 
──続く、2曲目の「Dent de lion」は、Kradnessさんが初めて楽曲提供をされた作品とのこと!

Kradness VTuberの花鋏キョウさん獅子神レオナさんお二人のデュエットソングとして書き下ろさせていただいた曲です。
僕が作詞作曲して、Kradnessとして楽曲提供をさせていただいた初めての曲でもあります。
テーマとしても「Memento」と通じる部分があったので、Kradness歌唱バージョンとして収録しました。

「Dent de lion」は、フランス語で「たんぽぽ」という意味です。
花鋏キョウさんから花モチーフ、獅子神レオナさんからライオンモチーフをいただいて、楽曲自体も「花と獣」をテーマにして制作しました。

“嵐が吹き荒ぼうとも、高波が来ようとも、たった一人でも強く生き抜いていこう”という気高く孤高な女性の歌となっています。
多種多様な生き方が認められるようになってきてはいますが、まだまだ女性が生き辛い場面もある社会なのかな…。
女性に限らず、さまざまなマイノリティの方が、逆境に負けずに強く生きることとはどういうことだろう?と思いを馳せながら作っています。

たんぽぽって、どんな細いアスファルトの隙間にも、根を張ってしぶとく生きるじゃないですか。
どんなに小さな場所でも深く根を張って生きる、どんなに踏まれても立ち上がって美しく咲く。
そんなたんぽぽのような生き様は、今回の「Memento」全体を通じた「生」のテーマと合致する部分もあって、2曲目に入れました。
楽曲提供した本人が歌うということで、VTuberのお二人のデュエットとはまた違った歌い方、解釈で聴いていただけるかと思うので、新たな一つの作品として楽しんでいただけたらなと思います。

──強さを感じる凛々しい楽曲から、流れるように美しい楽曲「Kaleidoscope」へと移っていきます。

Kradness タイトルの「Kaleidoscope」の通り、万華鏡の常に移り変わりゆく景色をイメージしながら作った楽曲です。
万華鏡の中にはいろいろなパーツや部品があって、回していくと常に見える映像が変わってく。
それって、二度と同じ景色は見られないと思うんですよね。
もしかしたら、以前見た形と似たものになることはあるかもしれないですが、1mmもズレずに同じ形になることはなくて。
人生も同じで、常に物事が移り変わって、人も環境も文化も世の中も変わりゆくのが世の常だよ、という意味を込めました。

──穏やかさを感じる少しゆったりとした入りから、曲調もだんだんと盛り上がってきますよね。

Kradness 曲自体はすごく盛り上がってくる部分がありますね。
いわゆるサビのような部分を、ダンスミュージック界隈ではドロップと言うんですが、その部分はとても明るい印象を受けると思います。
でもよく聴くと切ない歌詞になっているので、なんでこんなに明るい曲なのに切ない気持ちになるんだろう?と、そのギャップを楽しんで欲しいです。
世の中のことわり、常に回っていく様子を、節々で感じてもらえたらなと思っています。

人生って山あり谷あり。アルバム自体を「人生」に見立てて聴いて欲しい。

──さて、ここで、底抜けに明るい楽曲「From now on」が!

Kradness アルバムの中では一番明るく前向きな楽曲ですね。
AメロやBメロは、日曜の昼下がりにコーヒーでも飲みながら聞いてもらいたいなあ…なんて思ったりしています。
その一方で、ドロップ部分は、サッカーW杯とか、オリンピックの開会式みたいな、スタジアムで流れている壮大なイメージも持っています。
たくさんいる群衆、観客が一堂に介して歌っているような、みんなで歌えるハッピーな曲。

──いいですね!今こそみんなで歌いたい。

Kradness 本当に、僕自身も前を向ける楽曲だし、ファンのみなさまにも、落ち込んでいるときには「From now on」を聴いて欲しいです。
みんなで一緒に前を向く、そんなひとつのきっかけになれたらいいなと思いますね。

タイトルの「From now on」は、「今ここからずっと」「これからも」というような意味。
一言で言ってしまえば、「From now on」はラブソングなんです。
ラブソングと言っても、恋人に対して贈る「愛してるよ」的な意味合いとはまたちょっと違った、友達や家族やファンの方、身の回りにいる方、多くの関わってくださる方に向けた曲。
今まで活動してきて、苦しいことも楽しいこともあったけれど、そんな過去も踏まえた上で、これからもずっとよろしくね!という、愛の歌であり、応援歌です。

──そんな前向きな曲の次が、「Pain (interlude)」という、暗い楽曲。この落差は!?

Kradness 人生って山あり谷ありじゃないですか。
うまくいってるなと思ったら、急にスランプになったり、不幸が重なったりもすることもある。
ピークだと思った次の日に、なぜか急に崖っぷちに落ちたりする。
でも、それが人生で、面白いところでもありますよね。
今回のアルバムのトラックリストを考えたときに、アルバム自体を「人生」に見立てました。
「From now on」という前向きでハッピーな曲の次に、「Pain (interlude) 」という底抜けに暗い曲が来るのが、まさに人生。

──見事にジェットコースターのような人生!

Kradness 人の意表をついたり、驚かせたりすることが大好きなんです(笑)
音楽的にも緩急があった方がいいので、その視点でも「Pain (interlude) 」はアルバムの中盤に入れたいし、「From now on」の後にする、ということはすぐ決まりましたね。
インスト曲なので歌詞はないんですけれども、音で「痛み」を存分に表現しました。
凶悪で分厚い、低音が効いたベースが響いているなと思ったら、ドロップでは階段をころころ転がり落ちていくような音。
人生の下り坂で、絶望に追いかけられるような、ひたすら暗い楽曲に仕上げています。
そして「Pain (interlude) 」から繋がって始まるのが「Ubugoe」です。

──5曲目「Pain (interlude) 」と6曲目「Ubugoe」は曲間も繋がっていますね。

Kradness はい、音としても繋がっているので、「痛み」の中から「Ubugoe」が生まれたという捉え方で、流れで聴いていただけたら。
「Ubugoe」には僕の中で、ひとつのストーリーがありまして…
簡単に説明すると、違う世界線で生きる二人の自分が登場します。
過去には夢や目標を持っていたものの、結局叶わず仕舞いで諦めてしまっている自分。
もう一人は、夢を叶えて、やりたいことをやって、満足気にしている自分。

夢を叶えた自分は、諦めムードな自分を、「お前もやればできるからやろうよ!」と奮い立たせる。
それを「僕なんかじゃできっこない」と後ろ向きにひねくれて受け止めてしまう自分もいる。
そんな両極端な自分が混ざり合って、新たな自分が産まれていく…というストーリーです。

生きていくこと、何かを作り出すこと、その中には痛みや葛藤、悲しみや苦しみもたくさんあります。
でも、そういったものが創作意欲につながっていたり、そこから今の自分が産まれていたりもするので、後ろ向きな気持ちも決して悪いだけのものではないんですね。
歌詞はざっくりと抽象的にはしているんですが、こういった「生」と「死」を意識させる要素を取り入れられているかな、と個人的には思っています。

確実に最後は前を向いていけるように。


──ここからは、アルバム終盤に向けて、穏やかに前を向いていけるような楽曲が揃っています。
「Nostalgia」はタイトル通りに、郷愁的で懐かしさを感じる楽曲。
亡くなったお祖母様への想いも込められているのでしょうか…?

Kradness まさに、ノスタルジック&エモーショナルをテーマに書いた、「あの頃は良かったな…」を詰め込んだ曲です。
昔から、聴いているだけで涙が出そうになる曲や、ほろっときてしまう曲が大好きで。
祖母が亡くなった時のエッセンスも入っているんですが、実家にいたころの家族との近しい関係値とか、おばあちゃん優しかったなあ…と、幼き日の思い出を懐かしむ気持ちの方が強いです。今も家族とはいい関係なんですけどね(笑)

「地平線の向こう 歩いていく」
「消えていくその背に 手を振った」
と切ないワンシーンを思い浮かべられるような歌詞もあったりして、人生歩いていれば、出会いも別れもあるよな…と浸って泣ける曲になっています。

──続いて7曲目に、ミディアムバラードの楽曲「Lay」。

Kradness 「Lay」は横たわるといった意味の他に、死者を葬る、埋葬するという意味があります。
「生」と「死」にまつわる楽曲を集めた中でも、「死」をモチーフにした楽曲です。
祖母の死についての想いは、この楽曲に一番込められているかもしれないです。

こちらも「Ubugoe」と同じように、二人の自分が登場人物として出てきます。
自分の意見や夢を貫いて達成できた自分と、周りに流されて諦めて叶えることができなかった自分。

「消えていくinside 僕は who am I?」と最後の方の歌詞にあるんですが、
前向きな自分が、後ろ向きな自分を葬る…というと、ちょっとニュアンスが違うかもしれないんですが。
後ろ向きな自分が思っていたことを汲み取って、そっと海の底に眠らせるようなイメージです。
そして物語の序盤と終盤では、深層心理としては生まれ変わって別の自分になっていくというストーリーです。

「死」について思うことを、美しく表現したかったので、音楽的にも綺麗に仕上げられたかなと思っています。

──そしてここで、アルバムタイトルにもなっている「Memento」ですね。

Kradness アルバムタイトルと同じ曲名でこそあるんですが、こちらは特にアルバムを代表する表題曲というわけではないです。
アルバムのタイトル「Memento」が「生」と「死」を強く意識した意味合いとすると、9曲目の楽曲「Memento」は、「記憶」の意味合いが強いです。
日記の一ページみたいな、気軽な感じで捉えてもらえたらと思います。

僕がいて、君がいて、ありのままの日常があって。
今をそのまま崩さずに壊さずに、毎日を大切に生きよう。
そんな気持ちで、日々を綴った楽曲です。

どこかに切ないエッセンスはあって、穏やかだけど底抜けに明るいわけでもなく、優しく包まれるような印象。
アルバムの中でも一番ゆったり聴いていただけるのかなと思います。

「Memento」と「Life」は、編曲まで自分一人で達成できた曲なので、作家Kradnessとしても是非聴いていただけたらなと思っています。

──アルバムを締めくくるのは、光に向かってそっと背を支えてくれそうな楽曲「Life」です。

Kradness 山あり谷ありの人生、それでも最後は前を向いていける楽曲が良いなと思って。
派手すぎず、穏やかにビートを刻めるような音に、前向きで力をもらえるような言葉を乗せました。

「Making the most of life」人生を楽しめ
「Don’t wasting your time」時間を無駄にしないで
「You only live once」人生は一度きり
などなど、後ろ向きな歌詞はひとつもなく、力強い格言のような言葉が並んでいます。

アルバムを通じて「死」についてもたくさん触れてきましたが、諦めなければ達成できることもあるし、生きていれば楽しいことも待ってると思っています。
僕は生きてるからには、僕自身の人生を前向きに楽しみたい。
その考えを、聴いている方に押し付けるつもりはないですが、前に進もうと思ったときにはそっと背中を押してくれるような楽曲にしたいと思いました。
そんなニュアンスを汲み取っていただきながら、聴いていただけたら嬉しいなと思います。
確実に最後は前を向いていこうという、僕の考え方や性格も象徴できているのかなと思います。

豪華顔ぶれのExtra Trackにも注目!

──アルバムには、Extra Trackとして、ゲストコンポーザーによる楽曲提供曲も収録されています。
GARNiDELiAのメイリアさんtokuさんtilt-sixさんが参加という豪華な顔ぶれ。
Kradnessさんによって打ち出された「死生観」が、御三方によってさらに広がる形になっています。

Kradness アルバムの幅をより広げたいな…というところで、自分自身も大好きな御三方に参加していただきました。
僕が持っている「死生観」を軽くお伝えした上で、「命」や「人生」をモチーフにした楽曲を書いてもらえたら嬉しいですとお願いして、あとはお任せしました。
なので、アルバムの流れを汲みつつも、それぞれの持つ世界観、「生」と「死」への解釈も感じられる作品になっているのではないかなと思います。

──「Burn up my life」はシンプルで力強い言葉が並んでいますね。
Kradnessさんが得意とするパワフルなハイトーンボイスがとても映えています。

Kradness タイトル通りの、燃え上がるような熱い楽曲ですよね!
GARNiDELiAのお二方が書き下ろしてくださいまして、歌詞はメイリアさんが、楽曲はtokuさんが作ってくださっています。

自分は「傍観者」ではない。人生の「主人公」は私。
最後の最後まで、自分の命を無駄なく燃やせ!

そんなキャッチーな言葉と音楽で、「人生」についての想いを届けてくださいました。
良い意味でシンプルに突き詰められた言葉たちは、誰が聴いてもわかりやすく伝わりやすいですよね。
自分の命を無駄にしないためのメッセージが強く表されていて、かつ「Memento」の楽曲群とも馴染む、ありがたい楽曲です。
熱く燃え上がる炎のような命の灯火を、ボーカリストとして最大限表現できるように歌わせていただきました。

──tilt-sixさんによる「ホシノアシアト」も、また新時代感のあるおしゃれな曲ですね。

Kradness tilt-sixさんは、ダンスミュージックや打ち込み音楽系の方ですが、ロックなどのバンドサウンドも融合できる強みのある方なんですよね。
今回の「ホシノアシアト」は、序盤はシンセウェーブと言われる、80年代に流行したジャンルになっています。
昨今リバイバルブームが来ていて、実はデュア・リパさんやレディ・ガガさんなどの海外の名だたるビッグアーティストさんも取り入れているんです。
そんな再燃している要素を取り入れつつも、ドロップ部分ではフューチャーベースに切り替わる。
フューチャーベースは、2016年あたりからダンスミュージックシーンの一角を台頭している、まさに最新の音楽ジャンルです。
過去と今の良いところをうまく取り入れた「温故知新」を感じさせる音作りが素敵だなと感じました。

こちらも歌詞はシンプルで伝わりやすい形で、今このとき、この一瞬を大事にしようというメッセージを伝えてくださっています。
まさに最後にふさわしい2曲になっていて、この御三方に頼んでよかったなと思っています!

10年の生きた証をここに刻む。


──たくさんお話を聞かせていただいてありがとうございました!
Kradnessさんの10年を刻んだという言葉の通りに、想いが詰まったアルバムとなっていますが、ファンのみなさまにはどう聴いてもらいたいですか?

Kradness 僕の楽曲全体を通して言えることなんですが、ある程度の解釈の余地を残した作り方をしています。
こうしてインタビューなどで説明はしますが、僕から全てを提示してしまうと面白くないなと思っていて。
制作時の意図や自分の気持ちを、半分くらいは答え的な意味合いで提示しつつも、そこから先の解釈はみなさまに委ねたいです。
そうすることで各々の解釈が生まれて、さらにこのアルバムの幅も広がると思っています。
「この歌詞はこういう意味だと思った」「この音はこう感じた」と感想をSNSなどでもらったりする中、僕とはまた違った「死生観」に関する回答を得られることもあります。それは、僕の人生にとっても大きなプラスとなること。
僕の想いを汲み取ってもらえたらという部分がありつつも、単純に「生」と「死」にまつわる物事を考えるきっかけとなったらいいですね。

──このインタビューでは、作詞・作曲家としてのKradnessさんの想いを中心に伺ってきましたが、ボーカリストとしてのKradnessさんの表現力にも注目して聴きたいところ。
「Ubugoe」の畳み掛けるように強く語るような歌い方、「Kaleidoscope」の良い意味で力が抜けた優しい声など、印象に残る部分が多くありました。
ボーカリスト視点で見たときに、今回のアルバムで意識した点はありましたか?

Kradness アルバムテーマである「死生観」を表現するのに良い歌い方はなにか?と常に意識していました。
今までのKradnessは、高音が得意な突き抜けるハイトーンボイス。元気のあるパワーボーカルというイメージだったと思います。
実際、僕自身しっとり歌いあげるのが苦手だったもので、あまりバラード系の楽曲は歌ってきませんでした。

ただ、今回伝えたい「切なさ」や「悲しみ」を表現するにあたって、ボーカルとしても抑揚が大事だなと思ったんですよね。
もちろん強い中にも切なさを感じさせる歌い方もありますが、とはいえ強く張った声だけでは表現しにくいこともあります。
今回のアルバムには、今までのKradnessの引き出しにはあまりなかった、バラード的な要素を取り入れたかったんです。
切なさや悲しさを滲ませる歌い方、引くところは引いて優しく歌うことを意識した結果、ボーカリストとしての新たな一面も引き出せたんじゃないかなと思っています。

──今までの10年間の想いはこの「Memento」に刻んだと思いますが、最後に、今後の展望も教えていただけますか?

Kradness 最初にお話しした通り、今後もシンガーソングライター的な、作詞作曲もできるという強みをもっと伸ばしていきたいという気持ちが強くあります。
その一方で、10年間培ったボーカリストとしてのスキルや実績も存分に活かしていきたいので、歌えるうちは自分で書いて歌っていきたいですね。
作家としても、ボーカリストとしても、より一層、腕を磨いてきたいです。

ボーカリストとしては常に念頭にあるのが、今の20代の若い声で歌い続けることはできないということ。
50代、60代になったら、声に渋みが出たりしゃがれたりと、今の声とは変わってくると思います。
それはそれで味があるシンガーさんも多くいらっしゃいますが、それでもいつかは歌えなくなるときが来るかもしれない。

今回、「Memento」を制作していく中で、Kradnessとしてのゴールをより強く意識するようになったのですが、僕は一生音楽が好きだと思います。
もしシンガー・ボーカリストとして音楽に関われなくなったとしても、作詞作編曲ができれば音楽には関わっていられるので。
歌えるうちは歌いつつも、作家としてのスキルも磨いて、様々な形で僕の音楽を届けていけたら、音楽家としての人生を全うできるのかなと思います。
一生音楽と向き合って、音楽家として生きて、音楽家として死んでいきたいです。

「Memento」

生きること、それは、死を絶えず見つめること――

Kradness、全曲新曲の4年ぶりオリジナルアルバム。
全曲Kradness自らが作詞・作曲を行い、アレンジまで挑戦した意欲作。
さらに人気楽曲コンポーザーである、かめりあ、kors k、lapixの3名がアレンジ共作で参加。
Extra Trackとして、GARNiDELiAのメイリアとtokuによる楽曲と、tilt-sixによる楽曲の2曲を収録。

特設サイト:https://kradness.jp/#memento

2021.2.17 ON SALE

PCCA-04985
¥2,800円(本体)+税
Jacket Illustration:BerryVerrine
Graphics:MIZUNO CABBAGE

【トラックリスト】
01. Diorama (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:かめりあ & Kradness)
02. Dent de lion (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:かめりあ & Kradness)
03. Kaleidoscope (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:lapix & Kradness)
04. From now on (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:kors k & Kradness)
05. Pain (interlude) (作曲:Kradness、アレンジ:lapix & Kradness)
06. Ubugoe (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:lapix & Kradness)
07. Nostalgia (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:lapix & Kradness)
08. Lay (作詞・作曲:Kradness、アレンジ:かめりあ & Kradness)
09. Memento (作詞・作曲・アレンジ:Kradness)
10. Life (作詞・作曲・アレンジ:Kradness)

[Extra Track]
11. Burn up my life (作詞:メイリア(GARNiDELiA)、作曲:toku(GARNiDELiA))
12. ホシノアシアト (作詞・作曲:tilt-six)


PCSC限定盤 (CD+DVD+グッズ)
※PONY CANYONオンライン通販限定盤
SCCA-00102
¥4,000円(本体)+税

[セット内容詳細]
・『Memento』CD (オンラインサイン会 抽選応募券封入有)
・『Memento』制作舞台裏映像 & Kradness楽曲制作秘話トーク映像収録DVD
・△○□×が描く!書き下ろしデフォルメイラスト使用アクリルキーホルダー(全3種ランダム)

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プロフィール


Kradness(クラッドネス)
国内はもちろん、海外にも多数のファンを抱えており、特徴的なハイトーンボイスと、DJと歌唱を同時に行うというハイブリッドスタイルを武器に、EDM・POP・ROCKと幅広くプレイしている。
2015年12月、デビュー以来隠し続けてきたビジュアルを解禁後、新たな活動としてファッションブランド「REMERA」を立ち上げ、プロデューサー・モデルとしても活動を始めた。
更に、DJ兼コンポーザーとして活躍する”Camellia”とのユニット”Quarks”を結成し、その特殊なプレイスタイルに磨きをかけ続けている。

Official Site:https://kradness.jp/
Twitter:@kradness55
Facebook:Kradness
YouTube:Kradness
Weibo:kradness55
ニコニコ動画:kradness(くらっどねす)
Official LINE:https://line.me/R/ti/p/%40kradness55

この記事を書いた人

叶岡 怜
「原宿POP」の編集ライター。 柄もの・装飾過多・民族調が好きな個性派亜種ロリータ。 乗り鉄で旅好き。ロリータを広める旅、日々奔走中! Twitter:@raypsyca

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