「ロリータファッション」
1990年代から日本で流行した原宿系ファッションジャンルの一つです。
深く愛好し続けているファンの方が多く、今では世界中で注目を集め愛されています。

原宿ファッションに詳しくなくても、「ロリータ：お姫様やお人形のドレスみたいなお洋服のことかな？」となんとなく想像できる方は多いのではないでしょうか。

近年では、フリルやレースなどのロリータらしい要素が取り入れられているトレンドファッションジャンル「地雷系」「量産型」が流行していることもあり、一度は着てみたい憧れのお洋服として「ロリータファッション」を挙げる方が以前より増えてきているように感じます。

「ロリータ」がより一般的な言葉となり、多くの方に「気になる♡」「見るのが好き♡」「いつか着てみたい♡」と興味を持ってもらえることがとても嬉しい！
長い歴史のあるロリータファッションの世界、その奥深さをもっと知ってもらえたら…♡

ここで改めて「ロリータとはなにか？」を、解説するコラムを連載したいと思います。

「ロリータ」ってなに？

どんなファッション？

バロック、ロココ、ヴィクトリアンなどの歴史ある中世ヨーロッパのファッションへの憧れ
おとぎ話や絵本の中に出てくるお姫様のイメージ
この二つを掛け合わせて作られた、「かわいい」と思う要素をとことん詰め合わせたファッションです。

ドレススタイルを元にしていることもあり、一般的なカジュアルなファッションと比べると装飾がとても多いこと。
また、少女性を大事にしているので、セクシーさや露出は控えめなスタイルであることも特徴です。
ロリータファッションの見た目部分で共通するポイントは、大きく下記の3つです。

１）大きく膨らませた膝丈のスカート
２）カチューシャやヘッドドレスなどの髪飾りをつけている
３）リボン・フリル・レースがたくさんのデザイン

そして、見た目以外の部分でも、もしかしたらこれはロリータファッション特有かもしれない？と感じる特徴もあります。

・頭から爪先まで全身コーディネートする。ファッションアイテム数が多い。
・お洋服にモチーフやストーリーがあることが多い。
・お出かけ先に合わせてテーマを決めてコーディネートすることを日常的に行っている

こだわりたっぷりに、「かわいい」を追求しているファッションなんですね♡

ロリータファッションのルーツ

ロリータファッションのルーツは、原宿のストリートファッション。
つまり、街の若者から自然発生したファッションジャンルです。
ヨーロッパで生まれたファッションなのかな？と思う方が多いのですが、生粋の日本生まれのファッションなんですね。
原宿を中心に、Kawaiiカルチャー・クールジャパンカルチャーとして世界に広まっています。

「ロリータ」はファッション？カルチャー？

「ロリータファッション」を略して「ロリータ」と呼ぶこともあり
また「ロリータファッション」を愛好する人を「ロリータ」「ロリータさん」と呼ぶこともあります。

ロリータさんが、ロリータファッションを着る上で、一番大事にしていることは
「自分の心のときめきに忠実に、自分が好きなかわいいを貫くこと」なんです。

ファッションにはさまざまな価値観があります。
一般的には大きな指標となる、世間の目、好感度、モテ、トレンドなど…
そういった”他人の評価”にあたる部分を意に介さず、「自分の好きなお洋服を着ること」。
その精神自体を「ロリータらしさ」だとする考え方もあります。

そのために「ロリータ」をただのファッションとしてではなく、「ライフスタイル」と考え愛好する方も多いです。
ふわふわと愛らしい見た目とは裏腹に、中身は強固な信念を持っている「ロリータ」。
女性らしい魅力（＝セクシーさ）からも遠く離れた場所にいて、実は世間が思う”女の子らしい”ファッションではない…
どちらかというと”強く気高いファッション”と言った方が、本質に近いように、個人的には感じています。

ゴスロリとはどう違うの？

一般的にはもしかしたら、「ロリータ」より「ゴスロリ」の方が馴染みがあるかもしれないですね。

「ゴスロリ」はゴシック＆ロリータの略で、ロリータファッションの中のひとつのジャンルです。
黒を基調とした退廃的でダークな要素を取り入れたロリータファッションのことを指します。

実は、愛らしい雰囲気のピンクや赤のロリータファッションは、ダークなゴシック要素がないので、「ゴスロリ」や「ゴシックロリータ」ではないんですね！

アニメや漫画の影響もあり、一般には「ロリータファッション」全般を指して「ゴスロリ」と言われてしまうことが増えたため、ロリータ愛好者の方は「ゴスロリ」という言い方をあまりしていません。
このジャンルのお洋服全般のことを話すときには「ロリータファッション」と言った方が誤解が生まれないと思います♡

ロリータとコスプレの違いは？

ロリータファッションとよく混同されがちなのが、コスプレジャンル。
実際に海外で「日本のKawaii文化」として取り上げられる際には、ロリータファッションもコスプレも両方同じように好きな方が多く、一緒くたに扱われていることも多いです。

ロリータファッションとコスプレの大きな違いは、「ファッション」か「衣装」かです。
元々はコスプレは、漫画やアニメのキャラクターへの愛を表現するために、キャラクターに扮すること。
それに対して、ロリータは自分自身の好きを日々楽しむファッションなので、従来の成り立ちが違います。
ロリータさんは普段着としてロリータファッションを楽しんでいるので、「衣装」ではなく「お洋服」なんです♡

最近では「創作コスプレ」や「ロリータファッションを着用するキャラのコスプレ」
逆に「ロリータブランドさんがアニメとコラボしたファッション」などもあったりと
見た目では判別しにくいことも多いと思いますが、、、

「個性的な見た目＝コスプレ」とひとくくりにされてしまうことは
かわいいへの美意識が高いロリータさんも
キャラへの愛が強いコスプレイヤーさんも
どちらも悲しいと感じる方が多いので
是非その違いを覚えておいてもらえたら嬉しいです♡

ロリータとメイドの違いは？

またロリータファッションとメイドもよく何が違うの？と聞かれることがあります。
黒×白を基調にしたフリルいっぱいのデザインや、アリスのようなエプロンモチーフは、ロリータファッションの中の人気の高いアイテム。
そのため、見た目が似ているメイド服と混同されることが多いようです。

こちらも先ほどの「ロリータ」と「コスプレ」と同じような違いとなります。
お姫様をルーツとして、ファッションとして楽しまれる「ロリータ」
メイドカフェやイベントなどでコスプレとして人気となった使用人のお洋服である「メイド服」
元々は全く別のものとなります。

ですが、実は最近は中国のロリータ市場でメイド風のロリータドレスが流行っています。
昔は両者を混同されることに、もやもやしていたロリータさんも多かったのですが
最近は一周回って、「ロリータ」「メイド」を別のジャンルのものと割り切った上で
メイド要素を取り入れた新たなジャンルとして受けいれているロリータさんも増えた印象です。

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「ロリータ」「ロリィタ」どっちが正しいの？

現在、雑誌やブランドさんなどでは「ロリータ」という表記が主流となっていますが、長年の愛好者の中には「ロリィタ」という表記を好む方が多くいらっしゃいます。

元々「ロリータ」の由来は、ナボコフの小説「ロリータ」のヒロインの愛称から。
魅惑的な少女の代名詞として「ロリータ」という言葉が使われるようになり、「ロリータファッション」も、そこから名付けられています。

ですが、語源を同じくして、少女性愛を意味する「ロリータコンプレックス（ロリコン）」と混同されてしまうことを避けるために、「ロリィタ」と表記して棲み分けをしていました。
最近では、ロリータファッション自体が広まり、「ロリータ」の言葉のみで検索しても、「ロリータファッション」が先に出てくるようになって、時代は変わったなあと感じます。
そう言った経緯があり、どちらが正しいということもないのですが、より多くの人に知ってもらいたいという思いから筆者は「ロリータ」で統一しています。

ロリータの世界が広がりますように♡

ロリータ初めましての方へ♡

ロリータファッションに興味を持ってくれてありがとうございます♡
みなさんにロリータファッションへの印象を聞くと、かわいいから気になるけれど、いろいろとルールもありそうで、敷居が高いイメージがあるとよく聞きます。

よかったらただかわいいだけでは終わらない、奥深いロリータの世界を、少しずつ知ってもらえたら嬉しいです♡

ロリータが好きな、みなさまへ♡

このコラムはロリータ愛好者さんからすると、基礎知識のような内容だと思います。
私たちからすると当たり前の共通認識で、ロリータに興味を持ってくれるなら、きっと調べてくれるはず！と思ってしまうこともあるかもしれないのですが…
実は一般の方がこういったことを知ることができる場所が、意外と少ないのかも…？と思い当たり、筆を取ってみました。

そうしてロリータの世界が広がっていくことを願っています♡